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 2016年5月28日 いわんことじゃない!

 伸ばしに伸ばしたMacBook Airの開封に、とうとう本日午後から取り組んだ。
 伸ばしに伸ばしたのは、面倒だからである。新しいパソコンを初期設定し、古いパソコンに蓄えられたファイル、アプリケーションを移し替える。

 聞くところによると、WINDOWSという一昔前のパソコンでの作業はどうにもならないほど面倒らしい。そこはMacである。WINDOWSに比べれば遥かに簡単なはずなのだが、これまで使ってきたiMacを使い始めた時もかなり苦労した記憶がある。だから、どうしても先送りしたくなる。

 そして、午後から、と書いた。そう、懸念していたように、昼食を済ませてすぐに取りかかったのだが、いまだに終わっていない。作業の8割は終わったと思うのだが、あれこれと不可思議な現象が続出する。ひょっとしたら、残りの2割が永遠に続くのかも知れないという絶望感すら沸いてくる。

 検索して探し当てたガイドページを見ながらの作業でもこれである。

 すべての設定が済んだパソコンは便利な道具である。開封したばかりのパソコンは魔物である。

 そんな気にすらなってしまう。

 最初に躓いたのは、MacBook AirにはLAN端子がないことに起因した。ネットへの接続はすべて無線なのである。
 幸い我が家には無線LANが設置されている、というか私が設置してる。だからその無線LANのパスワードを打ち込めばすんなりつながるはずで、そのパスワードは無線LANの端末に書いてある。

 「こんなもん、だからすぐにできるさ」

 私はなめてかかった。その端末をひっくり返し、パスワードを見た。いや、見ようとした。ない

 「おかしい。iPhoneのときもiPadのときも、これを見ながらパスワードを入れた記憶があるのだが」

 机の引き出しの奥の方から、無線LANのマニュアルを引っ張り出した。そうすると、パスワードのところには「暗号化キー」を入力しろとある。ん? 何でそんなややこしいことをする? パスワードならパスワードと書いておけばいいではないか?!

 だが、これで一歩前進した。そうか、暗号化キーか。再び端末の裏を見る。

 「おい、どうする? 暗号化キーが2つ書いてあるぜ?!」

 たまらず、無線LANのメーカーのサポートに電話をした。なんでも、暗号化キーにはオーナー用とゲスト用があり、私のような所有者はオーナー用を使うのだという。恐らく、何らかの効用があるから2つもあるのだろうが、紛らわしいことこの上ない。

 混乱の中、MacBook Airは無事ネットワークにつながり、インターネットへも出て行けるようになった。一歩前進である。ここまでくれば、有線接続と同じ冠アックで作業ができるはずだ。ゴールは近い!
 いや、実は遙かに遠かった

 次は、アプリケーションとファイルの移行である。これもネットで見たガイドに従い、慎重にやるに越したことはない。

 まず、新旧2つのMac移行アシスタントを起動する。人に代わって面倒な作業をやってあげましょうという頼もしいアプリである。どちらもパスワードなどを聞いてくるから、入力してやる。そして移してやるヤツらを選び、ボタンをクリックすると、おお、始まったではないか、作業が!
 しばらく時間がかかるから、放っておく。

 やがて、作業が終わったお知らせが画面に出た。以外と早かったではないか。どれどれ、移っているかなあ?

 !! 何にも移ってきていない!

 何しろ、書類、つまり私が作ったファイルが貯め込んであるフォルダなのだが、古いMacの書類フォルダに入っているのと同じものが新しいMacBook Airの書類フォルダにも入っていなければならないのに、MacBook Airの書類フォルダは空っぽのままである。

 「何が起きたんだ?」

 いや、

 「何が起きなかったんだ?

 心はパニック状態に近づく。そうか、移行アシスタントで移ってくれないのなら、手動でやるしかなかんべえ。だけど、手動でどうやって移すことができる? 
 そうだ、いずれにしてもMacBook Airと古いMacは同じネットワークにつながっているのだから、MacBook Airから古いMacにアクセスすることができるはずだ。えーと、メニューバーの「移動」から「ネットワーク」を選んで、おお、古いMacがいるよ、ここに。よし、こいつにアクセスすると……、えーっ、沢山いらっしゃるなあ。何々、

 ・3THDD
 ・andoh
 ・Andohのパブリックフォルダ
 ・Macintosh HDD
 ・安堂のパブリックフォルダ
 ・安堂礼人のバックアップフォルダ
 ・堂礼人のパブリックフォルダ


 目的のブツはどのフォルダにあるんだ?

 パニック心理はますます沸点に近づいていく。

 しかも、だ。苦労に苦労を重ねて2つのパソコンを接続し、古い方から新しい方にファイルをコピーしはじめたら、MacBook Airは時折

 「アクセス権限がないのでコピーできない」

 と宣言して作業をやめてしまうではないか。
 権限? そんなもん、誰が配るんだ? 俺がつくったファイルに、俺がアクセスできるのは当たり前ではないか? すべてがダメならまだわかる。でも、できるものとできないものがあるとはどういうことだ?

 などと考え出すと、作業はなかなか進まないのである。悪い予感が当たったのである。

 「だから嫌だったんだ。iMacが壊れさえしなければ、こんなことにはならなかったのに……」

 とにかく手作業では能率が悪い。だめ元で、もういちど移行アシスタントを使ってみた。すると、今度はうまく行っているみたいだ。

 「何? 残り時間1時間19分? 頑張れよ」

 作業を進める2台のMacをあとに、私は風呂に入り、夕食を済ませた。MacBook Airを見てみる。おお、書類にも沢山ファイルが入っているし、アプリケーションも移ってきているよ。よし、これで完成だ!

 とは行かなかった。移ってきていないものもたくさんある。

 まず、写真。古いMacではiPhotoというアプリで管理していた。ところがこのアプリは廃版になったらしく、代わりに「写真」というアプリが入っていた。この「写真」に、写真が1枚もないのである。
 先ほどのように、2台のMacを繋いで移行を試みた。ところが、何度やっても3%程度のところでダウンして写真が移ってくれない。

 幸い、心配していたDreamweaverは動いてくれた。だが、私の作ったファイルは連れてきておらず、初期状態のまま。ために、こいつはサーバーにアクセスするところから始めて、すべてのファイルをパソコンに入れなければならぬ。

 我が家にある映画ディスクを管理するデータベースアプリ、Bentoは無事移った。だが、中身がない。バックアップ用のファイルをつくってあったが、これは移ってきていない。2台のMacを接続してコピーしようとしても、アクセス権限で拒否される。

 iTunesでは、中の音楽や落語が移ってきていないのはいうまでもない。

 などなど、不可思議な現象はあとを絶たないのである。

 最も不可思議だったのは、古いMacでメールソフトEntourageが、インストール直後の状態に戻ってしまったことだ。何の設定もされておらず、だからメールの送受信などできるはずがない。

 ふーっ、半日かかってこの状態である。

 だから嫌だったんだ! 新しいパソコンを買うのは!

 といっても始まらない。古いMacをだましながら使っていても、乗り換えはいつかは迎えねばならないのである。と諦めて、数日間、2台のMacととっくみあいをするしかない私である。いや、数日間で済めばいいが……。

 ああ、1日も早くMacBook Airで「らかす」を執筆をしたいと願うのであった。

 

 

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