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 2008年4月22日 内閣支持率

 今日はらかす日誌を休もうかと考えていた。珍しいことに、今日の朝日新聞社説は筋がよく、特に突っ込みたくなるところもない。となると、執筆意欲もわかない。

 しかし、さすがに朝日新聞だ。何の気なしにめくっていたら、政治面に「政態拝見」というコラムが見つかった。編集委員の星浩氏の署名がある。
 見出しは
 「内閣支持率低下 『筋論政治』踏ん張れるか」
 とある。
 まあ、この日誌では、社説に関連して、いまの内閣、政治についても触れてきた。その多くで、社説の頼りなさを指摘した。さて、編集委員殿はどのような見解をお持ちなのか。論説委員と同じなのか、違うのか。関心を持って読んでみた。読み進むに連れて、思わず、

 「そうかあ?」

 と首を捻った。

 残念ながら、このコラムはasahi.comには掲載されていない。リンクもはれないので、朝日新聞を購読されていない方にはお読み頂けない。ご不便をかけるが、お許しいただきたい。

 最近の福田政治は、新聞の社説に評価されることが多いのだそうだ。日銀総裁人事で、財務次官OBの武藤氏の起用を巡って民主党と対立した時、社説は
 「『財金分離』は理由にならない」(読売)
 「腑に落ちぬ不同意の理由」(朝日)
 と書いて民主党を批判した。道路財源問題でも、08年度の暫定税率維持、09年度からの一般財源化という提案には
 「民主党も大胆に妥協せよ」(読売)
 「小沢代表が応える番だ」(朝日)と、福田首相を支持した。

 このあたりは、まあレポートである。なるほど。読売も朝日も、論説委員は福田首相の政策を評価しているのか。これまで私がこの日誌で書いてきたこととは180度違った意見をお持ちの方が読売新聞の論説委員にもいらっしゃるのですね。
 人間、考えること、感じることはそれぞれである。私と見解が違う方が筆を執られることもあるでしょう。それぞれの信じる道を進むしかない。
 えっ、と思ったのは次の段落である。全文を引用する。

 「新聞の社説は、各分野の専門家である論説委員が長時間の論議を経て執筆する。いわば『論理の結晶』のようなものだ。中長期的な政策を示す場合も多い。一方、世論調査に表れる『民意』は、身近で短期的な問題に関心が高い。テレビのワイドショーで『ガソリンの値下げは、ありがたい』といったコメントが多く流れるのも、その『民意』を代弁しているのであろう」
 
 困った。この人、おかしい。

 この人のいっていることを単純化しよう。
 論説委員は最も優秀な人々である。彼らの書く社説に間違いはない。なのに、大衆の考えとずれてしまった。ここから見るに、大衆は目先の利害に捕らわれ、間違った判断をするものといわざるを得ない。テレビのワイドショーは、何の考えもなく大衆に追随するポピュリズムである。困ったものだ。

 どこまで思い上がれば気がすむのか。

 もちろん、日本国憲法前文が

 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」

 と高らかに歌い上げている民主主義制度も、究極の、理想の政治制度ではない。幾多の欠陥がある制度である。これ以上のシステムがまだ見つからないから、とりあえず使っているだけだ。よりよいシステムが見つかれば、いつでも乗り換えればいい。私はそう思う。
 このコラム子は民主主義制度の能率の悪さに苛立ち、大衆が知的リーダーの判断に従うシステムへの乗り換えを望んでいるように見える。古代中国で理想とされた聖人による政治、といえば聞こえはいいが、要は独裁政治である。みんなが新聞の社説に額ずき、民主主義に変わって知的独裁制がスタートするのか?

 もしそうであったとしても。
 これまで3週間近く、私は朝日新聞の社説を読んできた。驚くべきことに、
 「各分野の専門家である論説委員が長時間の論議を経て執筆」
 しているはずの社説なのに、私程度の人間にもいっぱい突っ込むことができた。とても
 「論理の結晶」
 とは思えない。言論にとどまるうちは被害は少ない。だが、彼らが社会のリーダーになったら? 
 そんな社会には私の居場所はない。

 人は必ず間違う。
 5年先、10年先を的確に見通せる人はいない。
 私はそう思う。世に、聖人はいないのだ。だから、どれほどもどかしくても、様々な意見の違い、立場の違い、暮らしぶりの違い、利害の違いがあることを前提にして、妥協を重ねながら全体の合意を形成する民主主義しか、いまは選択肢がない。時に間違った合意ができてしまうのは、民主主義のコストである。
 という常識から抜け出す道が、私にはまだ見えないのである。
 コラム子は同考えているのか……。

 ということで、今日はこのあたりで。
 うむ、明日も社説を読むのかなあ?

 

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