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 2008年9月7日 朝風呂

 朝風呂に入ったのは何年ぶりだろう? とにかく今日は、朝から風呂をたてて30分近く湯船に浸かった。
 といっても、私は小原庄助さんを理想としているわけではない。小原庄助さんは、会津の民謡で

 「小原庄助さん なんで身上つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上つぶした ああもっともだ もっともだ」

 と歌われる道楽者だ。私は朝は愛犬の散歩があって早く起きる。朝酒どころか、昼酒もあまり好まない。酒は夕刻以降のものである。そんな私が、朝湯だけを好むわけがない。
 それに、朝寝と朝酒と朝湯が贅の極み、男の生き様の理想、というのは違うと思うけどなあ。

 そんな私だが、今日は、朝湯に入らねばならない事情があったのである。

 目覚めたのは7時前だった。愛犬の散歩に出かけるべく、ブリーフを身につけようとした。

 これにはやや事情説明がいる。私は、寝る時はすべての下着を身から離す。すっぽんぽんになってパジャマだけを身につける。何かの健康雑誌で、ブリーフのゴムの圧迫は体に悪いと書いてあった。読んだ時は、へーっ、そうなんだ、と思っただけだった。それだけなら、実行に移すことはなかったに違いない。
 そんな知識が頭に残っていた時、とある事情である会社の社長宅を夜襲った。応接間で応対してくれた社長はパジャマ姿だった。私はピシッとスーツを決めていたが、まあ、夜遅くの訪問である。社長に同じ姿で出てこいというのは酷である。だから、それはいい。
 向かい合ってソファに座り、あれこれ話をしていた。その時、ふと見えたのだ。パジャマの前の、通常は尿意を催した時に使う切れ目から、こんにちは、をする奴がいた。

 「ふーん、割とでかいキンタマしてるな」

 と思ったかどうかは記憶にない。記憶にあるのは、

 「へーっ、この人も寝る時は下着を脱いでいるんだ」

 という事実である。社長も寝る時は、猿股かブリーフかボクサーショーツかふんどしかは知らないが、とにかく下着を取る。であれば、やっぱり体にいいのではないか?
 その日から私も、寝る時はブリーフ、最近はボクサーショーツを脱ぎ去るようにした。

 やっぱり体にいいかって?
 いや、体は1つしかないものだから、ボクサーショーツをはいて寝た場合と、取り去って寝た場合の比較は永遠にできないのである。だから、クレームのつけようがない健康法なのだ。健康雑誌も、実にいいところに目をつけたものである。まあ、このあたりは、信じるものは救われるということで。

 そういう事情で、私は起きざまにボクサーショーツを身につけようとした。その時、予期せぬことが起きた。

 グキッ

 と音がしたかどうかは確かでない。音がしたような気がしたのは確かである。とにかく、腰に疼痛が走った。

 「いけねえ、やっちゃった!」

 久しぶりの腰痛だった。愛犬の散歩の途中、平安公園に立ち寄って腰の筋肉を伸ばした。腰痛は痛みで筋肉が縮こまって長引く。いかん、と思ったらとにかく筋肉を伸ばす。伸びた筋肉には血が通い、やがて痛みを取り去ってくれる。
 
 念入りに腰を曲げ、ひねり、筋肉を伸ばした。が、これだけでは心許ない。そうだ、今日は日曜日ではないか。会社に行く必要がない日ではないか。

 というわけで、朝から風呂に湯を張った。痛んだ筋肉を暖めるためである。腰痛は奥深くの筋肉が痛んでいる。奥深くの筋肉を暖めるには、低温の湯に長時間浸かるのが鉄則である。かくして、湯温は38℃。読みかけの本を持ち、風呂場に向かった。

 以上が、豪華にも朝風呂に入ってしまった事情である。

 「ああそう。出張に行って疲れてたんじゃない?」

 と妻は言った。だが、出張から戻って腰痛になったのはこれが始めてである。
 妻が知られていない疲れの原因があるのか。それとも、単に加齢のなせるワザか。

 あまり真実は追究したくない。
 涼しくなったら、腰痛体操でも始めたほうがいいのかなあ……。

 

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