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 2009年6月7日 近況

 さてさて、またご無沙汰を続けてしまった。申し訳ないという心を込めつつ、でも、仕方がなかったのです、という言い訳も交えながら、経緯をご報告する。

 前回の日誌を書く前後から、我が iMac G5 の調子がおかしくなった。何とかなだめながら使い続けていたが、エクセルのファイルが自動的に外付け HD にバックアップされるなど、不審な挙動が目立つようになたため、ディスクユーティリティで内蔵 HD を調べてみた。肝を冷やした。

 「ディスクユーティリティによって、このドライブの一部に致命的なハードウェアエラーがあることが報告されました。
 このドライブがまだ作動している場合は、できるだけ多くのデータをバックアップしてから、正常なドライブと交換してください」


 なんと、内蔵HDが壊れる寸前だというのである。

 「にしても、いくらコンピュータの警告だとはいえ、もう少し何とかした日本語が使えないものかね。どうせ人間が入力した文章なのに、知能が人間に追いつけないコンピュータが合成しているような不思議な日本語ではないか」

 と毒づいてみても、内蔵HDが正常に戻るわけではない。仕方なく、翌日秋葉原の秋葉館に内蔵用のHDを注文し、コンピュータにいわれるがまま、できるだけ多くのデータをバックアップし、内蔵HDを交換した。5月30日、土曜日のことである。

 その日、修復作業にかかりっきりになりながら、私にはプランがあった。修復が終わり次第、今日の夜(つまり5月30日の夜)、遅くとも明日には日誌を書こう。この顛末を報告しよう。健気にも私は、そう考えていた。日誌のいいネタができた、と考えただけかもしれないが。

 ところが、修復作業は遅々として進まなかった。
 いや、HDの交換など30分もあれば終わる。いとも簡単な作業である。HDを固定しているねじが+でも−でもなく、不思議なねじ穴を持つねじだったことにとまどったが、

 「このHDは自分で取り外したことがある。このねじ穴に合うドライバーは我が家のどこかにきっとあるはずだ」

 と冷静に考え、やがて本棚の中にしまい込んでいた道具箱から発見した。あとは楽な作業である。交換は終わった。

 まず、OSをインストールする。ここまでは順調である。インストールが終わると、これまで内蔵HDだったものを、外付けHDとしてiMacに接続した。Macには便利な機能がある。「移行アシスタント」という。2台のMacをファイヤワイヤーで接続すると、古い方から新しい方へソフトウエアやネットワークの設定、パスワードの設定などを自動的に移してくれるのだ。
 これは楽である。なにしろ、もっとも面倒な作業をパソコンが自分でやってくれるのだ。特に私は、ネットワークの設定が苦手である。いったい自分が何をしているのかわからないまま作業をし、いつも行き詰まってプロバイダーに泣きつくということを繰り返している。
 それに、この「らかす」を制作しているDreamweaverというソフトもよくわからない。なにしろ、最初は友人がやってきて、

 「ほら、こうするとできるから」

 などと独り言を言いながら設定していったのだ。私は初期設定をしたことがない。さて、こいつ、どうしたら私が借りているレンタルサーバにアクセスできるんだろう?

 というわけで、設定を含めてすべて古いマシンから移してくれる「移行アシスタント」は、神様のようにありがたいツールなのである。

 と考えて作業を進めたのが、そもそも失敗の始まりだった。考えてみれば、これまでの設定などを記憶しているHDは壊れかけているのである。そこからソフトや各種の設定を持ってくる。全うに考えれば無謀である。
 と先に考えておけばよかった。現実は、悲惨な結果を前にして無謀さを悟った。一つとしてまともに動くソフトがない。気が狂ってしまったようなiMacを前にして、私は呆然とした。

 が、太陽はすでに西の山に没しようとしている。呆然としている暇などない。

 思い直して、新しい内蔵HDを初期化し、改めてOSをインストール、ソフトウエアを一つ一つインストールした。
 これは時間はかかるが、難しい作業ではない。難しいのはインストールが終わった後である。

 ネットワークの設定まではなんとかすんだ。残るは、「らかす」を作成するためのDreamweaverの設定である。
 とりあえず起動してみた。立ち上がった。さて、これで借りているサーバーにアクセスしなければならない。これまでの原稿も、原稿を書くためのひな形も、すべてサーバの上にある。アクセスさえできれば、後はなんとでもなる。

 結論を急ごう。アクセスさえできれば後は何とでもなる。それは真実である。だが、私に提示された真実は、それとは異なっていた。
 アクセスができなかった。正確に言えば、アクセスする仕方がわからなかった

 サーバを借りているOCNに電話をし、救助を求めた。アドバイスを受けながら、何とかアクセスの設定だけはできた。

 「はい、テストボタンがありますか? あったらクリックしてみてください」

 電話にでた男性は親切に私を導いてくれた。

 「ああ、アクセスできてますよ。こちらで検出してます」

 つながることはつながった。ところが、私のパソコン上では接続できたことが確認できない。接続を確認する画面の出し方がわからない。

 「ということなんですけど、どうしたら……」

 電話の男性に泣きついた。

 「いやあ、こちらではお使いになっているソフトの使い方までは何とも……」

 おぼれながらつかんだ藁に見放された。いや、彼としては当然の振る舞いである。彼はレンタルサーバの管理会社の社員である。ソフトウエア会社の社員ではない。知らなくて当然だ。
 
 「そうですよね……」

 画面上のDreamweaverは私の指示を待っている。私は、どんな指示を出したらいいのかわからない。

 「おい、お前。どうしてほしい? 今夜は君がしてほしいこと、全部やってあげるから。言ってごらん}

 といえば、ベッドに横たわる美女ならおずおずと話し始めるかもしれない。自らが欲することを伝えようとするかもしれない。
 だが、Dreamweaver頑なである。求めているに決まっているのに、それを告げようとしない。

 「あんた、自分で考えなよ。私がしてほしいことを。うまくいったらたっぷり褒めてあげる。ご褒美もあがるからさ」

 とでも言いたげである。こうして土曜日の夜は更けた。やけ酒を飲んで寝た。反応しない相手は、しばらく放っておくしかない。

 
 寝てはみるものである。というのは、男女間だけに通ずる真理ではなかった。ソフトウエアにも通ずる真理であった。

 日曜日の朝、朝食を終えると再びDreamweaverに立ち向かった。こいつをねじ伏せなければ、「らかす」は未来永劫更新されない。更新されないサイトからは、やがて読者は離れていく。

 Webで使い方を検索した。16万6000件あった。大変な数である。生涯をかけてもすべてを読むことは不可能であろう。だが、数が多ければいいというものではない。問題は、役に立つサイトがあるかどうかである。
 なかった。少なくとも、急場の間に合うサイトはなかった。解答を外に求めることができなければ、自分で見つけ出すしかない。

 「でね、ここまできたらこのボタンを押すと自分のサイト一覧が出てくるんだよ。俺もよくわからんけど」

 私のDreamweaverを設定してくれた友のそんな言葉を思い出した。すでに、再び夕闇が迫っていた。思えば、ここまで丸1日半の格闘である。

 「確か、このあたりをクリックしたような気がするが……」

 見よう見まねでボタンをクリックした。
 こうして、私のDreamweaverは再び現役に復帰した。


 という事件があって、更新の間があいたのである。
 数日間に渡る私のドタバタは、ご自分でパソコンのメンテを少しでもしたことがおありになる方なら想像していただけるはずである。
 想像して、ニヤリとして、もって了とされたい。
 
 なお、私のMacはいまだ全快には至っていない。メールソフトがパスワードを記憶してくれない。立ち上げるたびにパスワードの入力を求めてくる。おかげでパスワードはしっかり記憶したが、面倒くさいこと、この上ない。
 そろそろ寿命が尽きかけてるのかな?

 

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