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 2010年4月2日 箸

 「ボスですか? あのですね、瑛汰はですね、まっすぐなお箸が使えるようになったんですよ。ベビーちゃん用のお箸じゃなくなったんですよ」

 今朝、車を運転中に、瑛汰から電話が来た。瑛汰は、次女のiPhone自分で操作する。次女はiPhoneの連絡先に、「ボス」を登録しており、勝手にそこをあけて電話をかけてくるのだ。ということは、「ボス」を読めるのである。3歳児、恐るべし。
 ちなみに、ベビーちゃん用のお箸とは、箸に親指用、人差し指用、中指用の輪っかがついたものだ。これまで瑛汰は、自宅での食事にはもちろん、外食の場合も次女が持参するベビーちゃん用の箸を使い続けてきた。
 まっすぐな箸が使える。ボスやババ、パパ、ママが使っているのと同じ箸を使える。使えるようになった瑛汰自身が、その事実に感動している。
 自分の成長に感動できる感性は実に素晴らしい。それは自信につながる。

 運転中の携帯電話は御法度である。が、相手が瑛汰であれば、話が瑛汰の感動であれば、携帯電話を我が耳に押しつけ続けざるを得ない。

 「そうか、瑛汰。お兄ちゃんになったな。偉いな」

 子どもは褒める。子どもは褒められれ、次の目標を見いだす。

 「それでですね、瑛汰、まっすぐなお箸が使えるようななったは(=か)ら、ボス、○○買って!」


 そうか、私にご褒美をねだるのか。それもいい。だが、肝心の所が聞き取れなかった。でも、普通の箸を使えるようになったんだから、欲しいものは……。

 「瑛汰、お箸がほしいのか?」

 私の論理的帰結である。普通の箸が使えるようになった。だから、瑛汰専用の箸を買って。瑛汰はそういったのか?

 「違う! はから(=だから)、違うんです。ボス、紙芝居買って」

 ん? 紙芝居? 瑛汰はいま、紙芝居といった? いや、だけど、箸が使えるようになったことと紙芝居にどのような関わりが?

 「瑛汰、瑛汰がほしいのは紙芝居なのか?」

 ここは念を押さざるを得ない。私の頭の中では、どうしても論理がつながらないのだ。

 「そうだよ。紙芝居だよ。ボス、紙芝居を買って!」

 瑛汰に紙芝居を買い与えたのは、つい先日のことである。横浜の自宅で、一度だけ紙芝居を演じてやった。
 素人芸の、私の紙芝居読みがそんなに気に入った?
 でも、どうして箸と紙芝居が……。

 「紙芝居だよ。ボス、分かった?

 そこまで念を押されては、分からざるを得ない。

 「うん、分かったよ。今度ボスが横浜に行ったときに買いに行こう」

 瑛汰は嬉しそうにいった。

 「じゃあねえ、瑛汰と、ボスと、ママとパパで買いに行くですよ。ボス、分かったですか?

 私、それほど念を押されなければいけない年頃になったのか?
 でも、瑛汰、紙芝居屋になるつもりか? それもいいが、子どもが外で遊ばなくなった昨今、なかなか成立しがたい職業だと思うよ。

 紙芝居。近いうちに、瑛汰に紙芝居を買ってやるために、横浜に行くことになりそうである。

 待ってろ、瑛汰!

 

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