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 2011年8月14日 終了宣言

 私はいま高らかに。私の今年の夏休みが終わったことを宣言する。
 正確に表現すれば、夏休みが終わったのはいまではない。本日午後1時過ぎ、ウナギのこんどうで昼食を採り終えた瑛汰一家が車で去ったとき、私の夏休みは終わったのである。
 我が夏休みが終わる直前、5歳になったばかりの瑛汰が、1人前の鰻重を1人でほぼ完食したことを申し添えておく。

 さあ、明日からはのんべんだらりと仕事しかしなくていい!
 私にとって夏休みの終わりとは、そのようなものである。

 悲惨な話をご紹介しよう。
 この間、私は3日連続で、昼食に冷やし中華を食べた。いや、冷やし中華が嫌いなわけではない。好きである。1度は、絶品と呼ぶに値する冷やし中華を食べてみたいものだと思い続けているほど好きだ。いまだに絶品に出会わないから好きでい続けているのかも知れないが。

 ま、それはいい。

 出だしは11日だった。 
 この日、瑛汰と瑛汰のパパの3人で、朝から映画を見に行った。行き先は太田市のショッピングモール、イオンである。ここで「ポケットモンスター ビクティニと白き英雄レシラム」を見るのが目的である。無論、瑛汰のリクエストだ。

 「お父さん、どうします? 2人付き添ってももったいないし、私が瑛汰と見ましょうか? その間、お父さんはぶらぶらしてればいいし」

 そんな申し出もあったが、私は瑛汰と映画館のソファに座った。ぶらぶらしたのは瑛汰のパパである。
 で、「ポケットモンスター ビクティニと白き英雄レシラム」。アニメの世界で、ただただ奇想天外な物語が語られるだけの映画である。夢もなければロマンもない。このような作品をつくって、作者はどうしようというのだろう?

 いや、それはどうでもいい。映画を論じるのが今日の目的ではない。
 で、終わったのが12時半。

 「瑛汰、何を食べたい?」

 「瑛汰、うどんがいい」


 イオンの中を見た。ろくな食事処はない。

 「桐生に戻って食べよう」

 しみずやに車で走った。
 着いてメニューを見た。あったのである、冷やし中華が。いや、しみずやはうどん屋さんである。桐生で一番美味しいざるうどんを出してくれる。桐生で一番美味しいということは、全国的に見ても高いレベルにあるということである。そこのメニューにあったのだ、冷やし中華が。

 これが1食目である。
 えっ、絶品に出会えたかって?
 まあ、しみずやはうどん屋さんであったことを再確認した、とコメントしておこう。

 12日は群馬サファリパークに行こうと思っていた。ところが、朝から相変わらずの盛夏である。

 こんな日に、そんなところにいったら、どんなことになるか」

 すっかり怖じ気をづき、朝からビニールプールを持ち出した。こいつで瑛汰の気をそらそうとの狙いである。
 9時頃に膨らませ、水を張った。瑛汰が飛び込む。見ていた璃子も意欲を見せる。
 前日まで高熱を出し、医者通いが続いていた璃子も、この日は朝から機嫌がよかった。熱を測ると平熱である。

 「入れるか?」

 こうして瑛汰と璃子が水着を身につけ、プールに入った。水道から出したばかりの水は冷たかった。鍋で湯を沸かして入れた。焼け石に水だったが、それでも2人は1時間以上も水遊びをしたろうか。
 
 終えて、太田市のトイザらスへ。水遊びのオモチャを仕入れようとの魂胆である。どこにも行かず、自宅のプールで遊ぶのなら、それぐらいの道具立ては必要だろう。

 戻って昼食。目の前に出てきたのは冷やし中華だった。

 「えっ、俺、昨日も冷やし中華だったんだけど……」

 と不満を唱えては見たものの、ほかに選択肢はない。やむなく、冷やし中華のてんこ盛りを食べた。

 午後は瑛汰を連れて市民プールにでも行こうかと思っていた。ところが、腰を上げる前に瑛汰がプールに飛び込んだ。裸である。璃子も続いた。ヌードである。トイザらスで求めたオモチャもプールの中へ。
 終えて、そのまま風呂に入れた。璃子が、初めて泣かずに私と風呂に入った。プール遊びの興奮が継続したらしい。

 楽な1日だったって?
 冗談ではない。子供2人を、たとえビニールプールとはいえ水に入れるということは、監視役が必要だということである。特に、璃子からは目が離せない。幼児は水深10cmでも溺死する。
 そして、監視要員は私しかいない。

 ビニールプールを設置した場所は午前中は日陰となり、まだよかった。ところが、太陽が高く昇った午後は灼熱の太陽を遮るものは何もない。容赦なく照りつけられた。座っていても、全身から汗が噴き出す。汗が噴き出すからといって、冷房中の屋内に戻るわけにはいかない。

 「瑛汰、そろそろ終わりにしないか?」

 何度誘い水を出しただろう。そのたびに

 「瑛汰はね、まだ遊ぶんだよ。璃子ちゃんも遊びたいって」

 と拒絶された。私には反論するすべがない。首に書けていたタオルは汗でぐしょぐしょ。炎熱地獄に、私は身を置いていたのだ。
 夏休み、楽をさせてもらおうなどと思ったら大間違いなのだ。楽は、仕事を再開してからの楽しみにとっておくしかないのである。
 
 そして13日、我々は、というのは瑛汰と璃子、それに次女と私であるが、群馬サファリパークに出かけた。天気予報では、この日は1日曇り。瑛汰の予定帳には、ボスの家に行って群馬サファリパークに行く、と書き込まれているという。であれば

 「今日行くしかないのではないか?」

 朝9時頃出かけた。車のエンジンをかけると警告マークが出た。ラジエターの冷却水が減っているらしい。冷却水? そんなものが減るか?
 とは思ったが、車は足りないといっている。だとしたら、継ぎ足してやるしかない。出がけにガソリンスタンドにより、ガソリンを補給しながら冷却水をつぎ足した。1260円だった。

 オランウータン、ライオンのベビーを私が抱き、隣に瑛汰と、璃子を抱いた次女が座る。オランウータンは長い腕を私の首筋に回し、手と同じ構造をした足を瑛汰に預ける。ライオンは覇気がない。百獣の王だろうが! といいたくなるほど元気がない。まあ、仕事とはいえ、毎日幾多の観光客に抱かれ、腹をなでられていては、王者を自覚するきっかけがないのかも知れぬ。
 このポーズで記念写真。それから瑛汰とジェットコースターに乗り、昼食の時間。

 「焼きそばが食べたい」

 と言う瑛汰を連れて食堂に入ると、メニューはラーメンと冷やし中華のみ。焼きそばは隣の店にしかない。選択肢はラーメンと冷やし中華。外気温は、恐らく35℃前後である。あなた、ラーメンを選べますか?

 恐ろしいことに、瑛汰と次女はラーメンを選んだ。でもねえ、それでなくても汗がにじみ出すここで、あなた、ラーメンを食べる勇気あります? 私にはない。やむなく冷やし中華である。パサパサの面を口に放り込みながら、

 「これで3日連続だぞ……」

 と、誰にともなくつぶやいたのはいうまでもない。
 が、まあ、この日も、私が楽しむためにこの場にいるのではない。瑛汰を楽しませるのが目的なのである。私は、文句を言ってはいけない立場なのだ。

 午後1時30分出発の餌やり体験バスに乗った。フェンスで囲まれた動物の国に入り、バスの小窓から、ウシの仲間に草を与え、ライオンに肉を与える。なんでも、ライオンは脂肪のある肉は好物ではないらしく、馬肉と鶏肉が用意されていた。その肉を、火ばさみのような道具でつまんでバスに寄ってきたライオンの鼻先に突き出す。無事に食べていただければ大喜びという趣向である。

 現に、瑛汰は大喜びだった。なにしろ、火ばさみでつまんで小窓から差し出した肉を、百獣の王が面倒臭そうに食べてくれるのである。興奮するなという方が無理である。

 バスの中。璃子はほとんど寝ていた。瑛汰は興奮のしっぱなしであった。

 我が家に戻ったら、5歳になったばかりの瑛汰が日記を書き始めた。いつもは1ページも書けないのだが、この日ばかりは3ページ目をかき終えてもまだ書きたいことがあった。4ページ目の途中で書きたいことをすべて記述した気になったらしく、

 「えーと、1、2,3,4。ボス、瑛汰、4ページも書いちゃったよ。ねえ、凄い?」

 そりゃあ、凄いね、と答えるしかない。確かに、5歳児が4ページの日記を書くのは凄いことである。
 それほど印象に残った体験だったらしい。おかげで、私の財布はすっかりからになってしまったが。

 で、今日、私の夏休みが終わった。
 久しぶりに1人で風呂に入り、これから1人で寝る。何だか、新鮮な体験に思えるから不思議だ。


 で、夏休み余話。
 10日、瑛汰と瑛汰のパパと桐生川の上流部で川遊びをしたことは前回ご報告した。全く同じ場所で翌日、大学生2人が流れにさらわれ、溺死した。
 そうか。そんなに危険な場所だったのか。流れの速い川で、瑛汰に危険を教えるため、手をしっかりつかみながら、流れの速いところに押し出して流れの強さを体験させた。しかし、この場所が大学生の命を飲み込むほど危険であるとの認識まではなかったのはいうまでもない。
 さて、来年は瑛汰や啓樹をこの場所で遊ばせる気になれるかどうか。

 13日、出がけに起きた冷却水不足。今日も車のエンジンをかけたら同じ警告が出る。

 「やっぱり冷却水が漏れているのか」

 冷却水不足で走っては、エンジンが焼け付いて取り返しのつかないことになりかねない。朝からガソリンスタンドを再訪した。冷却水をつぎ足すと、前日の2倍入った。2520円。漏れの具合は悪化しているらしい。
 時はお盆である。ディーラーは言うに及ばず、町の修理工場も一斉に盆休みに入っている時期である。
 
 困った。修理をせねばならないのだろうが、修理してくれるところがない。とりあえずは冷却水をつぎ足すしかないが、昨日が1260円、そして今日が2520円。漏れる冷却水の量が日々増えるとしたら、修理に出せるまでにいくらかかる? その上に修理費用も……。

 ネットで、「群馬 BMW 修理」で検索した。いくつめかに、「J-FACTORY」が引っかかった。コメントには

 「工賃は ディーラーより確実に安い!! もちろん運輸省の認証工場です。例えば Eクラスの12月法定点検は 1万円です!! 社長談では 社員、家族が食べていけるだけの工賃でOKだそうです!?」

 とある。何と魅力的なコメントであろう! ホームページを尋ねてみると、今日までやっている。盆休みは明日からだ。

 「というわけで来たんですけど」

 自宅から15分ほどのところだった。尋ねていくと、早速点検してくれた。

 「これ、ラジエターで冷やした冷却水をエンジンのほうに送り込むところに、ドレンという、まあ、ジョイントみたいなものがあるんですが、それがやられている恐れが強いですね。このまま走ると、ドレンが最終的に壊れて冷却水が一挙になくなってエンジンが焼き付く恐れがあります。この車、動かさない方がいいと思います」

 いや、あのう、昨日往復130km走って群馬サファリパークに行ってきたんだけど……。そうか、その間に最悪の事態が起きなかったことを感謝すべきなのか。

 「修理は?」

 「ディーラーにお持ちになったらどうですか?」


 商売っ気のない人である。それとも、こんな奴を相手に商売をしたくないと思われたか。

 「だけど、ディーラーに行くにも、この車で行くしかないわけで……」

 その程度の修理はやりたくないの?

 「いや、うちはチューンナップ屋でして、修理は本業じゃないんですが、でもチューンナップするためには、まず、車の状態を正常にする、つまり修理もしなきゃならないわけで。わかりました。車置いていってください。代車をお貸ししますから」

 というわけで預けてきた。

 「でも、お盆で、うちも15日から17日まで休みですし、部品供給会社も盆休み中なので部品の手配も休み明けまでできません。それでいいですか?」

 いいですとも。

 しかし、車も5年を経過すると、あちこち壊れ始めるのだろうか?

 「お父さん、ま、車も夫婦も同じようなものですね」

 瑛汰のパパがそういった。そういえば、次女と瑛汰のパパの結婚生活も5年前後のはずである。
 そうなのか?

 

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