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 2011年11月19日 ベタ記事

 が目にとまってしまった。
 
 新聞が好きだとは、最近は思わない。だから、事務所兼自宅である関係から、ほぼすべての新聞が自宅に届くいまの境遇を、ありがたいなどと思ったことはない。ありがたいどころではない。毎月、大量の古新聞を廃品回収に出すのが面倒で、

 「読み終えたら、その場で消え失せる新聞って、誰か開発してくれない?」

 などと考える私である。
 地域の婦人会長さんからは

 「いつも古新聞を沢山出していただいて」

 と感謝らしい言葉をいただいたりするのだが、おばちゃんに感謝されたところで、嬉しさなど感じるはずもない

 だから、新聞はいつもながめるだけなのだが、不思議なことに、今朝はベタ記事に目がとまってしまった。朝日新聞の4面である。見出しに

 「『責任果たして』 首相、山岡氏巡り」

 とあった。
 なぜ、こんなつまらぬ記事に目がとまったのか、我ながら不思議である。しかも、思わず熟読してしまったのは、あのアホウ面の山岡のことを書いてある部分ではなかった。記事の最後の8行、もう一人のアホウ面をした閣僚、一川保夫防衛相についての下りである。
 そのまま引用しよう。

 「宮中行事より同僚議員のパーティー出席を優先させたのとの趣旨の発言をした一川保夫防衛相について、首相は『宮中行事を軽視しているような軽率な発言だった』と批判した」

 そう、これが、我が目を奪った8行である。

 まず、これはあまりいい日本語ではない。

 「宮中行事より同僚議員のパーティー出席を優先させた」

 どうしてこんな曖昧な文章を書くのだろう? 
 さて、この文章で、アホウ一川の発言の趣旨が正確に理解できるか? 残念ながらできない。

 この文章によると、一川君は、「宮中行事」と「同僚議員のパーティー出席」、つまり同僚議員がどこかのパーティーに出ることの方が、宮中行事より大事である判断した。

 「君、宮中行事より、そりゃあ、今晩の合コンパーティーの方が大事だろ? 宮中行事に出たって若くてピチピチした女なんていないんだし、ほら、行って、いい女をゲットして、しっぽりやってこいよ!」

 といったとしか読めないだろう?

 ところが我々は、このアホウ一川は、訪日中のブータン国王夫妻を歓迎する宮中晩餐会を欠席し、同僚議員の政治資金集めのパーティー出席していたことを知っている。しかも、そのパーティーで

 「ブータン国王が来て宮中で催し物があるが、私はこちらの方が大事だ」

 と挨拶しちゃったことも、頭にインプットされているのである。
 つまり、アホウ一川は、「宮中行事」と、議員仲間の金集めパーティーに自分が出ることを比べ、

 「私はこちら(パーティー)の方が大事だ」

 といっちゃったのである。

 朝日新聞の記事、文章がおかしいと思いません?

 「宮中行事より同僚議員主催のパーティーへの出席を優先させた」

 とでも書けば、文章ははっきりしたはずである。


 いや、文章論で行数を取ってしまった。
 私がこの記事に目をとめてしまったのは、不味い文章のためではない。

 読んで、地獄鍋を思い出してしまったのだ。
 鍋に水を張り、生きたドジョウを入れて加熱する。途中で豆腐を入れると、熱さに耐えかねたドジョウが冷たい豆腐に頭から潜り込む。だが、豆腐だってそのうち加熱されるわけだから、助かるわけがない。こうして、豆腐に潜り込んだま炎熱死したドジョウを豆腐と一緒にいただく料理である。
 
 熱い。耐えられないほど熱い。そこに、冷たくて柔らかいものが来た。おう、これだ。この中に潜り込めば暑さから逃れられる。
 その場しのぎ。所詮、ドジョウとは目先のとこしか考えられない生きものである。

 国の上の方にいるドジョウも、やっぱり目先のとこしか思い浮かばないのではないか? その場しのぎしかできないのではないか?
 増税、TPPへの曖昧な態度。あれこれあって、ああ、これもそのひとつか、と思ってしまったのである。

 そもそも、アホウ一川の選択が常軌を逸しているのは、宮中行事よりも政治資金集めのパーティーを優先したからか?
 私の考えでは、違う。
 アホウ一川が無視したのが、普通の宮中行事なら、単なる国内問題である。閣僚であるにもかかわらず、日本国民統合の象徴である天皇への敬意が足りない、と批判すればすむ。
 ま、いろんな考えを持った人の集まりが国民であるから、皇室への敬意を欠いた閣僚がいても、私はたいした問題ではないと思う。

 だが、一川が無視した宮中行事は、ブータンの国王夫妻を迎えての歓迎行事であった。それを、閣僚の一員である一川は無視し、挙げ句、

 「私はこちら(パーティー)の方が大事だ」

 と言ってのけた。この人、常識に欠け過ぎる。
 
 身内をあとにし、他者を先にするのは日本の誇る文化だ。

 社長が訪問客と対談している部屋に飲み物を持っていけば、まず、客の前に飲み物を置く。社長は後回しである。

 安藤課長に電話がかかってくれば、

 「申し訳ございません。安堂はただいま席を外しておりまして」

 と電話口でいう。「安藤課長は」とか、「安堂さんは」といってはならない。
 外に対して身内を卑下し、へりくだる。それが日本が育んでた美である。それが判らない社員は、アホウ呼ばわりされても仕方がない。

 妻を愚妻と表現するのもその現れである。
 ま、私の場合は、

 「そこまでバカにはされたくない!」

 との抗議を受け、「妻殿」と表現するようになったが、これはひねりをきかせたへりくだりであると考えてのことだ。

 まあ、それはいい。
 一川とドジョウ首相は、この日本の文化を、ものの見事に無視してくれた。悲しいことに、そんな奴らが首相であり、閣僚であるのが、日本のいまである。

 なあ、ドジョウよ。

 「宮中行事を軽視しているような軽率な発言だった」

 ではなく、

 国賓であるブータン国王夫妻を軽視しているような軽率な発言だった」

 とどうしていえなかった?
 あんたみたいな人が首相であることが、私は悲しい。


 で、である。
 この記事を書いた記者は、どんな質問の仕方をしたのか?

 「一川防衛相が宮中行事を欠席し、その上『私はこちら(パーティー)の方が大事だ』とスピーチしたことをどう思われますか?」

 なんて聞き方をしたのか?
 それに引きずられれ、我らがドジョウは

 「宮中行事を軽視しているような軽率な発言だった」

 と答えてしまったのか?

 ま、それでも事態は変わらない。
 情けないドジョウが1匹おり、知性と感性の足りない記者が一人いるというだけのことである。

 あ〜ぁ。

 

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