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 2012年1月22日 テレビ・続編

 昨日。パナソニックの修理マンが来てくれた。午後2時半頃である。お助けマンの登場だ。

 彼は3つの基板を持参して我が家に乗り込んだ。プラズマテレビの裏側に回ると電動ドライバーでネジを外し、裏蓋をすっかり取り去った。

 「ねえ、電源部分の不具合なのに、基板を3つも交換するの?」

 「そうなんです。電源を入れると、橙色のランプが7回明滅するでしょう。これは、この3つの基板の間の信号の受け渡しに問題があるということなんです」


 なるほど、最近のテレビは自己診断機能まで持ち合わせているのか。

 「しかし、不具合はその3つの基板のどれか一つの中野、多分たった一つの部品が原因でしょう。それでも3つも取り替えるの?」

 私、こういう世界は好きである。

 「はい。だって、どの基板が、あるいはどの部品が原因かなんて判りませんもん。だから、問題が発生した基板をそう取っ替えするということになってます」

 確かに、回路の集積度が上がれば上がるほど、壊れた部品を特定するのは難しくなる。念のため、取り外された基板を目で確かめた。コンデンサは判る。トランジスタも使ってある。コイルも目についた。が、あとはゴマ粒のような小さな物体が、基板に半田付けしてあるだけで、どれが何であるかは皆目見当がつかない。
 基板に電気を流し、必要な箇所にテスターをあてて電圧を測れば、壊れた部品を特定するのも不可能ではないだろうが、それには限りなく時間がかかる。
 それに、特定したところで、半田ごてで温めて取り替えるには、部品が小さすぎる。

 ま、その昔、出始めのころのテレビの修理は、電源を入れたまま裏ぶたを開け、中にある真空管を一つづつ触って、映り具合が変わるかどうかを見た。ある真空管に触ったときに映り具合に変化があれば

 「原因はこいつだ!」

 と、その真空管を取り替えた。修理とはその程度のものである。

 真空管を使っていないいまのテレビでは、基板をそっくり取り替えるのもやむを得ない。だが、もったいない話である。それで、聞いてみた。

 「取り外した基板はどうするの?」

 「はい、本社に送ります」

 なるほど、本社で再利用するらしい。


 1時間もたったろうか、

 「とりあえず、映るようになりました」

 画面では大相撲をやっていた。

 「ま、今のところは大丈夫みたいです」

 今のところ? 何となく心配になる言い方だ。

 「同じ故障、結構起きているの?」

 「ええ、まあ、割とありますね」


 基板間の信号のやりとりの不具合は、どうやら設計ミスらしい。

 「だったら、同じ基板に取り替えただけじゃ、また同じ故障が起きるんじゃないの?」

 「いや、結構起きているわけですから、そこは設計変更してあると思いますが」


 まあ、そういうこともあろう。100%完全なものを作る手間を省き、95%の完成度で市場に出す。あとは、財布を開いて買ってくれた人をモニターにして、残りの5%の不具合を見つけ出し、不具合部分を手当てした交換パーツを作り、交換する。
 恐らく、企業にとっては、そちらの方がコストが安くつく。納得できるとはいわないが、それも一つの考え方であるとは思う。

 「そうですか。保証書の日付が記入されてない。判りました。では、昨年の3月にお買い上げいただいた、つまり、保証期間内の故障であったということで処理しておきます」

 ありがたくお言葉をちょうだいし、家にあったピーナツ(桐生のピーナツ専門店のもの)をお持ち帰りいただいた。
 かくして、我が家のテレビはいま、絶好調である。


 我が妻女殿は、相変わらず起床直後から激しく咳き込んでいる。本人にいわせると、

 「85%の回復度」

 である。気分はよくなり、体も動くようになった。が、咳だけがしつこく残る。

 「だったら、明日、耳鼻咽喉科にいったらどうだ?」

 食卓で咳き込まれるのは気分がいいものではない。何科と気遣いせざるを得ないのも面倒である。どうせ回復するのなら、1日も早く回復してもらうに越したことはない。
 車での送り迎えぐらい、喜んでさせていただきます。仕事をさぼればいいだけの話だから……。


 その明日、私は年に1回の健康診断である。朝食は抜き。

 さて、今回はどのような結果が待っているか……。

 

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