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 2012年6月3日 百貨店

 Department Storeを我が国では百貨店と訳した。百とは数学的には100であるが、漢字の世界では非常に多いことを表す言葉でもある。
 
 「ひえーっ、この店はでかいし、何でも売っとるやんけ。こんな店、オラの国にはないべ」
 
 初めてDepartment Storeを訪れた先達の驚きがそのまま伝わってくる言葉である。

 ここ桐生には、百貨店がない。普段は気にもしないのだが、時として困ったことが起きる。

 「あのさ、を買いたいんだけど、桐生でどこに行ったら傘を売ってる?」

 と、桐生市の元有力者O氏にたずねたのは2ヶ月ほど前のことである。使っていた傘が2本とも留め金分がダメになった。ジャンプ傘だから、留め金部分が壊れると開きっぱなしになる。開きっぱなしの傘は持ち歩けない。新しい傘を求めざるを得なくなったのである。

 「えっ、傘? うーん、どこに売ってんだろうね? そういえば、俺、傘はどこで買ったかなあ?」

 相変わらず頼りにならない元有力者である。仕方なく、横浜のむず目に頼み、ゴールデンウイークに遊びに来るついでに持ってきてもらった。
 百貨店のある都市部でお暮らしの方にはおわかりにならないかも知れない困りごとである。

 ま、その程度なら、何とかなる。いざとなれば、ネットで買えばよろしい、同じ百貨店でも、困るのは、

 病気のデパート

 だ。我が妻女殿がそれである。

 「気持ちが悪い」

 と言い出したのは金曜日であった。熱があり、食欲がない。

 「医者行くか?」

 と聞いても、行かないという。休んでいれば何とかなるという自己診断である。医学を学んだこともなく、知識の吸収にどん欲なわけでもない妻女殿の自己診断は危なくてしようがないが、何せこの人、一度言い出したら聞かない。

 「行った方がいいんじゃないか?」

 と何度も問いかける私に向ける目が冷たい。

 「何をガタガタいってんのよ」

 とでもいわんばかりである。ここまで来ると、親切も心配も通用しない。放っておくしかない。


 「やっぱり、医者に行く」

 まだ寝ている私の元に来て言い放たれたのは、翌2日土曜日の午前7時。どうしようもなく具合が悪いのだという。

 だからいわんっちゃない。昨日のうちに医者にいっておればよかったのに」

 などという正論を吐くと、どんな反撃を食らうか分かったものではない、程度のことは長年の共同生活で身にしみている。私は黙って、午前8時前に医者に診察票を届けて診察順を確保し、9時半に妻殿を医者までお送りして自宅で待機した。
 
 「終わった」

 と電話があってお迎えに行き、腸炎であったと知った。知っても、何もできるわけではない。昼食は

 「食べられない」

 というから一人で外に食べに行き、夕食は近くのイタリアンに2人で足を運んだ。

 今日はまだ熱はあるものの、多少は回復された様子で、朝、昼、夜と食事はお作りになった。ま、病魔もそろそろ出ていきそうである。以外と短期勝負であった。

 持病のため薬を飲み続けるしかない妻女殿は、病気のデパートである。3〜4週間に1回、前橋日赤病院に通うのみならず、内科医、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科、と今年も沢山の病院にお連れした。
 ま、それはいい。仕事より健康である。仕事なんぞはできるときにすればよろしい。できないときは、したふりをして過ごすのがサラリーマンの身過ぎ世過ぎである。
 それより、数えているわけではないが、妻女殿を病院にお送りする回数が増えているようなのが気がかりだ。ま、私が63、妻女殿は62。病院通いが増えても不思議ではない年代ではあるのだが。


 野田・小沢会談の2回目が、当然のこととして決裂した。気になるのは消費税法案のゆくえである。
 ある解説によると、ドジョウ野田にとっては想定通りの結果で、これをもって

 「これで身内への義理は済んだ」

 とばかりに自民党に駆け込み、手を取り合って今国会内に消費税法案の成立を図るのだという。消費税率引き上げに政治生命をかけられる方の計算はそのようなものらしい。

 しかし、このドジョウ、いったい何がしたくて政治家になったのか?
 これまでのパフォーマンスを見ている限り、何の理念もないままにただただ政治家に憧れ、政治家になったとしか思えない。そして図らずも総理になったら、日本でいちばん優秀だといわれる財務省の官僚に、

 「国家財政の現状を鑑みると、消費税引き上げしかありません。あなたのような力量のある政治家にしか、この難題は解決できません。一緒に、歴史に名を残そうではないですか」

 とでも煽られてその気になったのに違いない。
 野党時代の己の発言を裏切り、選挙で国民に約束したマニフェストを裏切り、社会保障と勢の一体改革といいながら、増税だけを先行させるのはそのためだろう。

 こんなドジョウは、地獄鍋にして食ってしまいたい。
 地獄鍋とは、生きたままのドジョウを鍋に放り込み、水を入れて火にかける。そこに冷たい豆腐を入れると、暑さに耐えかねたドジョウが豆腐に潜り込み、そのまま煮上がるという料理である。

 俺、頭から、バリバリ音をさせながら食ってやるから!

 

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