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 2012年9月14日 今日の悪魔

 朝9時40分頃家を出て、伊勢崎のスマークに向かった。瑛汰、璃子、次女との4人組。瑛汰の本を買う。それが目的であるのはいうまでもない。2階に上り、書店の前に立った。瑛汰は児童書のコーナーを目指して一目散に駆けだした。

 「ボス、これだけ買って」

 10冊あった。ここまでは約束である。拒否する権利は、私にはない。
 それはいい。だが、それから起きたことには唖然とした。

 書店内では、すでに欲しい本を手に入れた瑛汰と、欲しい本を探す璃子と次女が、しばらく同居した。欲しい本を手に入れてしまった瑛汰はその間、やることがない。見ていると、子供用の椅子に座って、買ったばかりの本を読み始めた。
 まあ、それだけ欲しかった本なのだろう。一刻も早く読みたい。その気持ちはわからぬでもない。

 やがて、璃子の本が決まった。次女は、買いたい本がなかったらしい。支払いを済ませて瑛汰に声をかけた。

 「瑛汰、行くぞ」

 すると瑛汰がいった。

 「もう読んじゃったよ」

 ん? 買ったばかりの本を1冊、璃子とママの買い物を待つ間に読み終えた? それって、少し早すぎない?

 「瑛汰、だったら、その本、ここで立ち読みすればよかったジャン。そうすれば買わずに済んで、ボスはお金が助かったんだけど」


 スポーツ用品店のテントで瑛汰と璃子が遊び始めた。それを見た次女は2人を私に預け、1回のスーパーに買い物に出かけた。しばらくはよかったのだが、やがて璃子が

 「ママんとこ、行く」

 と愚図り始めた。やむなく2人を率いて1階に降り、璃子を次女に預け、瑛汰と2人、スーパー前のソファーで待った。ここでも瑛汰は、買ったばかりの本の2冊目を読み始めた。

 「おい、ママが来たぞ」

 と私が言うのと、ほぼ同じタイミングだった。

 「ボス、これも読んじゃった

 まだ自宅にたどり着く前に、2冊読了。瑛汰は、読書のスピードが信じられないほど早い。


 帰宅して昼食を済ませた。

 「瑛汰、トンボがいるかどうか見に行こうか?」

 という次第で、渡良瀬川の堤防まで出かけた。暑い。トンボの姿はあまり見えない。
 それでも、トンボ1匹と小さな蝶を捕獲。まずまずの成果だったが、

 「ボス、暑い! 喉が渇いた。死にそう。水飲みたい!」

 と瑛汰がわめくので、いったん撤退。途中でポカリスエットを買いながら、

 「トンボさんも、暑いからあまり飛ばないんだよ。やっぱり夕方じゃないと捕まえられないね」

 と話す。
 その夕方、今度は璃子、次女も加わって、再び渡良瀬川堤防。今度も、トンボの姿はあまり見えない。

 「来る時間が早すぎたのかなあ」

 というほどトンボの姿は見えないが、璃子は捕虫網を持ってご満悦。しばらくすると、土手の下に、トンボが乱舞している地点を発見。近づくが、飛んでいるところが高く、手持ちの網では届かない。
 1匹だけゲット。汗まみれになって帰宅、入浴、夕食。

 「瑛汰、トンボさんたちも、夜になったらママのところに帰りたいだろう。遊んでくれてありがとうっていって、放してやろうよ」

 トンボ、蝶、コオロギ、すべて放す。暗くなって花火。啓樹と瑛汰がいたときに買った花火が大量に残っていたのである。

 「ボス、今日はテントで寝るからね」

 昼間、これも啓樹、瑛汰が滞在したときに買ったテントを、再び居間に張っていた。瑛汰と璃子の遊び場である。しかし、そこで寝る? 啓樹と一緒の時は途中で断念して私の部屋で寝た瑛汰が、再びチャレンジするという。

 「ああ、いいよ」

 やれるものならやってみろ。

 「ねえ、ボス、一緒にテントで寝よう」

 いやだ。

 「じゃあ、最初はボスの部屋で瑛汰が寝て、瑛汰が寝ちゃったらテントに運んで」

 冗談じゃない。腰が痛くなる。

 「どうしてもテントで寝たいんなら、最初から一人でテントに寝たらいいだろう」

 と突き放したのが、9時前である。10分もすればやっぱりボスと一緒に寝ると泣きついてくると高をくくっていたが、いま9時35分。様子を見に行ったら、居間のテントの中で、一人で眠りに落ちていた。
 子どもの成長は速い。わずか1ヶ月で見違えるように精神的にタフになった瑛汰である。明日は、どんな顔をして起きてくるのだろう。

 今日は金曜日、明日は土曜日。

 「えっ、ところであなた、仕事はどうしたの?」

 まっとうな疑問である。これには、まっとうに答えるしかない。

 公には、働いていたことになっている。


 明日は、朝からブドウ狩りの予定だ。その後、昼食はこんどうで鰻になるはず。瑛汰が1人前を食べ尽くすことは先日証明された。璃子はどれぐらい食べるのだろう?

 午後は再びトンボ捕りか?

 肩の痛みは引きつつあるものの、腰の痛みが強まっている昨日・今日である。

 

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