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 2012年12月12日 過去最高点

 日本の小学4年生が、過去最高得点を挙げた!

 今朝の新聞は、こぞってこの話を取り上げた。なんでも、2011年の国際数学・理科教育動向調査の結果なのだそうだ。63の国と地域の約50万人が参加した。日本からの参加は約8800人とあった。

 ま、統計を取るには充分な数であろう。この記事、例えば朝日新聞は

 「小4算数・理科 過去最高点 『脱ゆとりの成果』」

 と大きな見出しでうたっていた。だが、私は記事を読み進むうち、

 「そうか?」

 と大きな疑問を感じた。あなたは感じませんでした?

 おかしいと感じたのは、ただ1点である。
 日本の小学4年生の平均点が、算数は585点(前回は568点)、理科は559点(同548点)だった。ともに1995年以降の最高点なのだという。えっ、それより前は? いったい、何点満点のテストなの?
 そんな基礎的なデータがないという不満も沸き起こった。しかし、これは「ただ1点」ではない。

 この記事を読むと、確かに最高点ではあったのだが、順位は? というと、算数は参加国・地域の中で5位、理科は4位。どちらも前回(2007年)より1位ずつ落ちたとある。

 「えっ、点数は上がったのに、順位は落ちたの?」

 これが、「ただ1点」の疑問である。
 あなたのも私も、過去において数限りないテストを受けてきた。そして、経験したはずである。点数は上がったのに順位は落ちた(いつもトップだった方は別として)悪夢を。
 何のことはない。自分の点数の上がり幅より、ライバルたちの点数の上がり幅が大きかっただけなのである。点数が上がっただけで喜んでいると、やがてぬか喜びとなる。そんな経験を、私は何度もした。

 なぜ、そんなことが起きるのか?
 簡単な話だ。難易度のレベルが下がっていたのである。いってみれば

 278×594=

 などという問題が減り、

 3×7=

 という簡単な問題が増えた。迂闊な私は、簡単な計算問題を間違え、点数の上がり幅が小さかった。ほかの人たちは取りこぼしなく、大いに点数を上げた。
 全体から読み取れるのは、その事実ではないのか?

 いや、分かり難い記事で、何点満天のテストであるかは書かれていないのに、

 「国際平均は500点」

 と明記してある。ということは、あれか? 585点などという点数は、日本の子供たちが実際に取った点数の平均ではなく、全体の平均を500とした場合の日本チームの指数を示してあるだけなのか? だから、平均を上回った数値が前回より多いのだから喜べってか?

 いや、それでも素直には喜べない。前回より総合力の劣るチームが参加して平均点を引き下げる働きをしたということも考えられるではないか。

 いずれにしても、日本の小学4年生の学力が回復した証と見るには、どうにも根拠があやふやなのである。

 なのに、文部科学省は大喜びだ。

 「脱ゆとり教育の成果」

 と胸を張っているようなのだ。
 ゆとり教育が日本の子供たちの学力低下の原因といわれ、文部科学省が「脱ゆとり」に舵を切り替えたのは2008年のことだった。その成果が出た、というのである。

 おいおい、先に指摘したように、こんなあやふやな根拠で

 「成果が出た」

 と胸を張るのはやめた方がいいんじゃない? あんたたちの、そういうご都合主義が、日本の子供たちの学力を引き下げてるんじゃないの?

 それに、これを取材した記者の皆さん、文部科学省の説明を聞きながら、私が感じたような疑問は持たなかったのかね? あんたら、文部科学省の広報部門か? 自分は記者だと思うのなら、奴らの説明のいい加減さに鋭く突っ込み、

 「文部科学省ってのは、こんないい加減な役所です」

 って知らせるのが仕事じゃないの?

 そうそう、ここではもっぱら朝日新聞をやり玉に挙げたが、疑問を持ちつつ読んだほかの新聞の記事も大同小異であったことを付け加えておく。

 記者連中の知力低下は目も覆わんばかりである。
 とは思いませんか?


 本日に至るも、衆議院選挙の流れに大きな変化は起きていないようだ。どうやら、セコハンが首相に返り咲く恐れが強まった。日本の政治の劣化は目も覆わんばかりである。

 新品でもたいして持たなかったのに、中古の再登板でどれだけ持つのかね、というのが唯一の関心事項、という内閣が年内に発足しそうだ。
 なにをかいわんや、である。

 こんな日本に、誰がした?!

 

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