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 2013年3月29日 年度末

 である。
 であるからして、明日、iPhoneを新しくすることにした。iPhone5に代える。

 なんでも、softbankはアップルから、毎年のiPhoneの販売量を約束させられているらしい。その約束を違えたらどうなるかまでは知らぬが、契約に縛られている以上、年度末には押し込み販売をせねばならぬ。様々なインセンティブをつけてでもiPhone5を売らねばならぬ。

 彼らからのメールによると、現行機種は8000円で下取ってくれるそうな。その上、機種変更で10000ポイントくれる。これでiPhone5はただになるそうな。期限は年度末の3月31日まで。

 ま、アップルとの契約がなくても、iPhone5から通信方式が変わり、パケット料金が上がる。新しい通信方式は桐生ではまだ使えないらしいのだが、それでも契約は新しい通信方式のみ。つまり、softbank増収になる。何が何でも、iPhone5を売りたいのである。

 ついでに、iPadも買ってくる。これは、映画のデータベースの閲覧用である。あわせて、デジタルフォトフレームとしても利用する。それ以外には使い方を思いつかないが、そろそろ買ってもいいころだと判断した。
 年度末のまとめ買いである。


 年度末。
 やっと終わるドラマがある。NHKの「純と愛」だ。このドラマには、限りなく頭に来た。

 何しろ、

 「そこまでやるか!」

 といいたくなるほどのご都合主義である。
 
 「ほら、諸君の知性程度であれば、こんな仕掛けをすれば目がウルウルするだろ!」

 というあざとさが目につきすぎる。
 それに、軽い。浅い。薄い。

 遊川和彦という男がシナリオを書いたらしい。民放でヒットした「家政婦のミタ」などを書いた男で、

 「ほほう、天下のNHKが、民放で当てた男のシナリオを使うか」

 と一部では話題になったらしい。

 しかし、この惨状は何だ?

 えっ、人の心が読める?
 まず、このSFファンタジーまがいの設定にぶっ飛んだ。ま、それでも、当初は、

 「うん、まあ、描く内容によっては、そんな設定も許容限度内ではある」

 と、やさしく思い直した。
 しかし、その後の展開はどうだ?

 まず、純が祖父に執着するのがわからない。
 子供は普通、母親に執着するものだ。時折、父親に執着することもあるが、祖父に執着する20歳前後の女の子なんて、本当にいるのか?
 その執着する理由も笑わせてくれる。爺ちゃんはホテルを経営していた。そのホテルは

 魔法の国

 だったというのだ。
 ちんけな田舎のホテルが、魔法の国……。
 5歳児がいうのならわかる。でも、純のようないい歳をしてそんなことをいっていたら、普通であれば

 「精神科に行ってみたら?」

 とアドバイスされかねないぞ。

 相方の愛(これで、いとし、と読むという)も摩訶不思議な青年である。人の心を読めるところまでは、まあ、先に書いたように許容してもいい。
 しかし、だ。弁護士の両親、特に母親の

 「後を継ぎなさい」

 という期待、いや命令に反発して大学に進まず、挙げ句家を出た。
 あのさ、世の中には弁護士になりたくて青春を棒に振るアホウが沢山いるのに、君は何故弁護士になりたくないの? 親が強制するから? それって、反抗期にある3歳児と同じではない?

 それもいいとしよう。だから、愛君は大学に進まなかった20歳前後の男の子である。にしては、知識量が多すぎる。彼には、知らないことがほとんどない。おまけに、企画書はつくるわ、大工のまねごとはするわ、電気工事もするわ。いってみれば、スーパーマンである。そんなヤツっているか?

 そもそも、だ。愛君、君が弁護士になりたくないのはいいとして、だったら何になりたいの? 君は、John Lennonの向こうを張って、ハウスハズバンドが天職と自認するの?

 純の兄弟もいい加減である。女あさりにしか関心がない兄貴がいる。フィリピンから来たキャバレーの女を孕ませるが、ほかの女に誘われればホイホイと、愛(これは、あい。ま、やっちゃうことだけど)を実行する。

 弟はほとんどアホである。どうやって暮らしを立てているのか不明だが、あちこちを飛び回っては、ギターを弾いて音痴な歌を歌ったり、下手なダンスをしたり、パフォーマンスに余念がない。その映像を携帯電話で家族に送る。

 ホテル経営に行き詰まって長男を政略結婚させようとし、破れるとホテルを売却。交換条件で自分の仕事を確保したはずが、しがない清掃員でやがてリストラされ、そして死ぬ。これが純のだめオヤジ

 純の母親は、全く自分で判断のできないノータリンで、夫に裏切られ続け、やがてアルツハイマーとなる。

 愛の父親は妻の尻の下に敷かれ、その息苦しさから逃れようと浮気をするのはいいが、子供に見つかるドジ男だ。これで弁護士が務まるのか?
 母親は鬼女。弁護士としては優秀らしいが、人間としては下の下である。

 大阪の一流ホテルを乗っ取られるアホ経営者。ドヤ街の宿泊所を経営する女。そこに住み着く摩訶不思議な連中……。

 ただの一人も、まともな人間が出てこないドラマである。

 まあ、ドラマにはコメディという手法もある。まともな人間が一人も出てこなくても、いや、出てこないから伝わるメッセージだってある。

 しかし、このドラマ、何を伝えようというんだ?

 夢の国、の再建。ドラマはこの一点に集中する。
 だけど、ホテルごときが夢の国になり得るか? 滞在中は夢でも、そこを出ていけば夢は覚めるんだぜ?
 いや、そもそも、夢の国なんて存在するのか? 必要なのか?

 と様々に分析(というほどのものではないけれど)した。
 さて、それでは、私は何故このドラマが嫌いだったのだろう?

 この遊川和彦という男、根源的に視聴者を馬鹿にしている。ほら、こうしたら、お前たち笑うだろ? こんな仕掛けをしたらハラハラするよね。で、ここをひねったら、涙が出るんとちゃうか?

 と、極めて軽薄な計算でシナリオを書いている。それが透けて見えるところから判断すると、実は、なにも伝えたいことがない、中身が空っぽな男ではないのか。
 シナリオライターの底の浅さが透けて見えてくる。それが、私の神経に一番触ったのではないか。

 あす、大団円を迎える。
 私は、いい加減なシナリオだから、愛は意識を取り戻すのではないか、と予想する。だって、最終回で殺してしまったら、涙に暮れる画面しかできないではないか。そんなことは、この軽薄な男はしないはずだ。

 いや、仮に愛が死んでしまっても、このドラマに新しい意味が付け加わることはなにもない。

 「いや、終わってよかった」

 それが明日である。


 なのに、どうして見続けたのか、って?
 いやあ、我が家はあの時間、ちょうどちょうど朝食なんだよね。余り会話のない食卓だから、オトヤ映像は欲しい。だけど、あれが嫌だからって、あの時間の民放のテンションが高すぎる番組にチャンネルを合わせる気にはなれない。それだけなのであります。

 さて、このドラマを

 「失敗だった! 次は何とかしなきゃ」

 と頭を抱えているNHKスタッフがいることを希望しつつ、本日はキーボードから離れます。

 

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