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 2013年4月17日 苦手

 中学数学の復習は滞りなく進み、残すところ、あと10数ページとなった。遅くとも週末には、テキストに使った「大人のための やりなおし中学数学 一日一題、書き込み式」(光文社新書)を終える。

 この歳になって、何を今さら中学数学、とバカにされる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、あえてこう申し上げる。
 この歳にならねばわからぬ世界もある。

 中学のころ、数学が好きだったという記憶がある方は、さてどれほどいらっしゃるのだろう。あの頃の数学は、やりたい、学びたいから問題に向き合うのではなく、やらねばならぬから教科書、参考書を開いて、ウンウン言いながら問題を解いた。いわば難行苦行である。そのような環境で、数学を好きなる変わり者は、果たしてどれだけいるか。

 しかし、この歳になると、難行でも苦行でもない。学習とは、楽しいから続けるのである、ということが、心の底から理解できる。これが、楽しみの一つである。
 あわせて、数学には答えが一つしかない。問題に取り組んだ結果は、正解か間違いのどちらかでしかない。これが心地よい。日々暮らしている社会には、完全な正解も、完全な間違いもない。

 「どちらかといえば、こちらの方が正解に近いと思うが」

 ということの繰り返しである。
 正しいのか、正しくないのか、正誤がはっきりするのは、中学・高校で学ぶ数学の特徴である。これは、極めて単純明瞭な世界で、現実の社会から逃避する先として、極めて好ましい。

 なので続いているのだが、続けながら思い知ったことがある。

 「俺って、集合と幾何は苦手だったんだ」

 集合とは、場合の数を数え、確率を計算することである。

 「5枚の硬貨があります。これを1枚ずつ投げ、表になるのが1枚、裏になるのが4枚になる確率を計算しなさい」

 などという問題であるが、どうも頭がうまくついていかない。

 幾何とは図形問題である。線分の平行とか、三角形の内角の和とか、合同、相似とか、そんなものをの使いながら、角度を計算したり、面積を計算したり。
 易しい問題であるとは思うのだが、問題をしばらくにらみつけ、コンパスを使って円を描き、定規で直線を引いてあれこれ考えないと答えに至らない。
 どうやら、私の頭は平面認識、空間認識の能力が劣っているらしい。

 そういえば、中学高校を通じて、補助線を入れたり、同位角や外角を使って見事に答えを導き出す級友に唖然とし続けた記憶がある。俺、そんなこと、思いつきもしなかったぞ、って。

 いかん、これではいかん。啓樹や瑛汰、それに璃子、嵩悟が中学生になったとき、数学を教えてやれなくなる恐れがある。勉強しなきゃ!

 現在のテキストをやり終えたら、高校入試問題を集めた問題集に移る。夏までには、中学数学をマスターすべく、毎日勉強を続ける予定である。


 さて、日誌を書き終えると、わがシネマタイムである。
 ここ10日ばかりで、「アーティスト」をはじめとした、昨年のアカデミー賞受賞作をすべて見た。

 「アーティスト」(作品賞、主演男優賞、監督賞、作曲賞、衣装デザイン賞。ついでにカンヌ国際映画祭男優賞)

 無声映画時代の人気俳優が、「トーキー? あんなもの、芸術じゃねえ!」と啖呵を切って自らの資金を投じて無声映画を作るが大転けする。それをきっかけに零落したこの男に救いの手をさしのべたのは、まだトップ俳優だったころ、ふとしたきっかけで女優にしてやった、いまやトーキー映画の花形だった。しかし、プライドが邪魔したのか、男優は救いの手を払いのける……。

 (評)こんなもんが、作品賞?

 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(主演女優賞、メイクアップ賞)

 食料品店の娘から成り上がって英国の首相になったサッチャーの一代記。

 (評)英国では死んで喜ばれたサッチャー。にしてはこの映画、極めて表面的な英雄伝でしかなく、深みに欠ける。よほどのサッチャーファンでないかぎり、2度とは見たくないだろう。

 「人生はビギナーズ」(助演男優賞)

 妻を亡くした老人が「実は俺、ゲイなんだ」とカミングアウト。息子は仰天するが、カミングアウトしたご当人は、自宅に若い愛人(もちろん、オ・ト・コ!)を引っ張り込んで、愛に溢れた暮らしを始める……。

 (評)だから、何だってのさ!

 「ヒューゴの不思議な発明」(撮影賞、美術賞、視覚効果賞、音響賞<編集>、音響賞<調整>)

 ま、あらすじは短行では書き難し。映画創世記への思い入れたっぷりに、機械職人の父を亡くし、孤児施設に入るのを拒んで駅に隠れ住む少年が、父の遺言を託された機械人形の修復に取り組んで……。

 (評)面白い! 昨年のアカデミー賞受賞作の一押し。何でこれが作品賞じゃないんだろ?

 「ドラゴン・タトゥーの女」(編集賞)

 大失敗したジャーナリストが、ある富豪に仕事を頼まれる。40年前の迷宮入り事件の再調査だ。それに、全身に刺青を入れた情緒不安定な女が絡んで、謎が一つ一つ解き明かされていく……。

 (評)「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」の映画化。これ、以前スウェーデンでも映画化されていた。小説の作者がスウェーデン人だから、当然か。その焼き直しだが、焼き直しは焼き直しに過ぎない。スウェーデン映画の方が面白かった記憶がある。

 「セイビング・フェイス 魂の救済」(ドキュメンタリー短編賞)

 パキスタンでは、女性が体に酸を浴びせかけられる事件が毎年3桁は発生するのだそうだ。それに心を痛めたパキスタン人の医師が、焼けただれた女性の顔の再生に取り組み、女性国会議員はそうした犯罪に対する罰則の強化に取り組む。

 (評)すごい国だね、パキスタンって。それ以外、いいようがない。

 「海岸」(短編実写賞)

 北アイルランド出身でアメリカで暮らす男が、娘を伴って故郷に帰る。彼は国を出るとき、恋人を残しており、彼女はこの男の親友と所帯を持っていた……。

 (評)何がいいたいんだろ、この映画?

 「モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本」(短編アニメ賞)

 本好きの人のためのファンタジーアニメ。

 (評)私もかなりの本好きだが、この映画、ちっともピンと来なかった。アカデミーの短編アニメは例年秀作揃いだが、2012年はこんなものしかなかったのかな……。

 「ランゴ」(長編アニメ賞)

 カメレオンが、ある街の保安官に任命される。その街では、水を巡って陰湿な陰謀が繰り広げられていた……。

 (評)アニメには、見終わったときの爽快感がつきもの、とまではいわない。表現の手段として様々なことを試みるのも結構。でも、カメレオンが主役で、町長さんが亀で、殺し屋がガラガラヘビで、と動物が主体になると、もう少しすっきり感が欲しいというのは無い物ねだりか。この映画、啓樹や瑛汰を映画館に連れて行きたいかとなると、どうも逡巡してしまう。これだったら、ドラえもんを見に行くかなあ……。


 合わせて、昨日は

 「硫黄島からの手紙」(2006年、音響賞<編集>)

 を見た。
 ほんと、クリント・イーストウッドって、俳優より監督の才能の方があるんじゃないの? ただこの映画、数カ所、お涙ちょうだいのご都合主義が目についた。よって、私の評価は、「金」から一つ落ちて「銀」である。

 

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