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 2013年8月15日 日本禁煙学会

 ではないが、昨日、今日は自宅でくつろいだ。
 いやねえ、別にサボるとか、そういうことは考えていないわけです。
 でもねえ、昨日、今日って、みんなが休んでいるではないですか。みんなが休んでいるときに、

 「私、work dayですから」

 って、のこのこ仕事に出かけたって、効率が悪くって何ともなりまへんがな。
 効率はこの際置くとしても、こんな日に

 「こんにちは」

 なんてお客さんを尋ねていったりしたら、ま、水をぶっかけられるのが落ちですやろ。この季節ですから、水をかけられたって、

 「いやあ、おかげで涼しくなりました」

 って、ニコニコしてられるとは思うけど。
 そう、こういうのを

 蛙の面にションベン

 っていうんですね。

 というわけで2日間、自宅待機した。
 待機とは、一朝事あらば、直ちに現場に駆けつけることができる態勢で控えることをいう。
 ああ、そうか、そうだった。私、待機していたわけではなかったのだなあ。朝からひげも剃らず、バミューダパンツをはき、ヨレヨレの開襟シャツをを纏う。これでは、一朝事があっても、

 「おい、服出して。俺、いまからひげを剃るから」

 で、少なくとも10分はかかる。とてもじゃないが、直ちに現場に馳せつけることはできない。ということはあれか? 我が主観的な意図はどうであれ、客観的には、やっぱりサボっていたことになるのか?

 そういえば、朝から高校入試の数学で頭を使い、それを切り上げるとギターの練習。うん、これ、普段の休日と全く変わらないパターンだもんな。
 でも、まあ、明日は朝から人に会う約束があるし、まあ、とりあえず働く意欲だけはあったということで。


 にしても、である。
 世にはつまらん連中がいる。今日の毎日新聞夕刊によると、お医者さんたちでつくるNPO法人「日本禁煙学会」が、いま上映中のアニメ、「風立ちぬ」にいちゃもんをつけたんだそうだ。このアニメ、あの宮崎駿監督の作品である。それにいちゃもん? 思わず
 記事に目を通して唖然とした。私、こんな学会に籍を置いて恥じることを知らぬ医師に看取られて人生を終えることだけはしたくない。最後の瞬間にそんなつまらぬ人間に面倒を見られたのでは、実り豊かだったはずの人生が味も素っ気もないスカスカなものになってしまいそうだからである。

 「風立ちぬ」

 は、零戦の設計者である堀越二郎の半生を描いた作品であると聞く。であれば、舞台は戦前。タバコの害など、誰も指摘しなかった時代である。多くの大人がタバコを楽しんだ。タバコは生活の一部であった。私が子供のころは、バスの中でも電車の中でも、みんな兵器でタバコを吸っていた。それが当然だった。時代とは、そのようなものである。

 その時代を描いた作品が、教室や職場、レストランなど、不適切な場所での喫煙シーンが多すぎる、というのがいちゃもんの趣旨らしい。

 私がタバコを吸うのに

 「それは健康に悪い。少なくとも他の人に害を及ぼさないよう、適切な場所で喫煙しなさい」

 というのなら、ま、素直に聞ける。素直に聞くのと実行するのとは別の話ではあるが。

 しかし、タバコが暮らしにすっかり溶け込んでいた時代を描く作に品に、喫煙シーンが数多く出てきて、何が問題なのか? あなた方は、みながタバコを吸っていた時代の映画から、タバコを消せというのか?
 一般的に、このような行いを、歴史の改竄という。

 権力を握った人間は、自分に都合の悪い過去をなかったものにしたいと思う。そりゃあ、誰だって、恥ずかしい過去は消したいが、普通はできない。でも、権力を持てばできるのだ。
 権力者は歴史を自分に好ましいよう書き換えさせる。それが歴史の改竄である。尖閣諸島問題で、中国はどう見ても歴史を作りかえて自らの領土権を主張している。権力を掌握して以来、数々の歴史改竄を積み重ねてきた共産党政府ならでは、とも思う。

 歴史は過去であり、過去とはすでに凝固している。亡くなった親を生き返らせる術はない。去っていった女を呼び戻す術もない。何をしても変更できないのが過去である。織田信長は本能寺で死んだし、坂本龍馬は京都の料亭で暗殺された。
 信長が生きていたら、龍馬が生き延びていたら、日本はどうなっていたか。知りたくも見たくもあるが、それでも変えられないのが過去である。その過去を変えようとする、変えられるのは権力者たちである。

 この学会の先生たちよ、恥を知りなさい。あなたたちは、嫌煙論の広がりで自分たちが権力を持ったと錯覚されているらしい。そこまでは、可愛らしい勘違いだ。
 が、どうして錦旗を掲げてしまうのか。自分たちを正義の軍団であると思い込んでしまうのか。自分たちの主張は普遍性を持つと錯覚してしまうのか。
 あなた方は、「風立ちぬ」にいちゃもんをつけることで、歴史の改竄を志された。歴史を歪めろと声高に主張された。

 「いや、そんなつもりはない。いま生きる人たちの、タバコによる健康被害を避けることが目的である」

 と多分おっしゃる。
 では、戦争をなくすためには太平洋戦争はなかったことにした方がいいのか。そこまではできないから悲惨な戦闘シーンは誰も見られなくした方がいいのか。空襲で逃げ惑う人々の映像はお蔵入りさせた方がいいのか。

 過去は過去としてある。我々は過去を鏡とし、未来をつくる役割の一部を果たそうと思う。その鏡が、改竄で歪められていたら、ゆがみのない未来を築くことができるのか?

 タバコが健康に害を及ぼすことに世界で初めて着目したのは、かのヒトラーである。その命令で、ナチスの医療班はタバコによる健康被害を研究、立証した。戦後の学者は、タバコの害を口にすると親ナチスと疑われると怯え、誰もタバコの害に言及しなかった。タバコが問題視され始めたのは、ナチスの亡霊がようやく死に絶えてからである。
 
 歴史とは、曲がりくねった道を行きつ戻りつしながら歩を進めるものだ。都合の悪い過去を無視してはならない。都合のいい過去を過大評価してはならない。

 「日本禁煙学会」に巣くう医者どもは、過去の歴史に学んだことがあるのか?


 と堅いことを言うまでもない。
 タバコの出てこない戦争映画があるか。
 タバコの出てこない恋愛シーンが見るに堪えるか。
 真っ赤な唇に加えられた細巻きのタバコからくゆる煙に色気を感じないか。 

 タバコじゃなくっても体に悪いものは世に数々ある。タバコだけを言挙げする学者先生には、視野狭窄を感じる私である。


 桐生では夏も峠を越したようである。昨日、今日はずいぶんしのぎやすかった。
 皆様の地方ではいかがでしょうか?
 夏もあと少し。1ヶ月も我慢すれば、秋風が肌を撫でてくれますぞ。

 もう少し。乗りきろー、夏!

 

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