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 2013年10月29日 大詰め

 思い返してみれば、私がコピーガードがかかったデジタルビデオテープのダビングを始めたのは今月の2日のことである。
 その日、共犯者である東京のS氏が我が家を訪れ、彼の眼前で配線し、作業に取りかかった。
 S氏は音響の専門家だ。不具合が起きたらすぐに助けてもらえる。そんなゆとりが功を奏したのか、デジタルビデオテープは1本目から何の問題もなく、ブルーレイ・レコーダーのハードディスクに収まり始めた。

 その日、多分200本を超えるデジタルビデオテープが入った段ボール箱を、作業場である事務室に運び込んだ。作業の進展にあわせて段ボール箱からテープを出し、積み重ねた。小山が出来た。
 当初は、

 「半年ぐらいかかるかな」

 と覚悟していた。何しろ、ダビングは実時間を要する。つまり、2時間の映画をダビングしようとすれば、2時間かかる。パソコンに取り込んだデジタルデータなら10数分で終わるのだが、これだけはいかんともしがたいのである。

 ところが、である。あれからまだ1ヶ月も立たないのに、残りのテープはいま、31本。本日中にもう1本ダビングできるはずだから、残り30本となる。
 半年かかると覚悟した作業が、わずか1ヶ月で終わる。

 それはそうであろう。とにかくこの間、私の暮らしは、ダビング作業を中心に回転した。

 朝目覚めると、まずテープをセットし、ダビングを始める。朝食を終えたころに、ダビングは終わりを迎えている。
 次は、その日の予定と照らし合わせる。
 すぐに出かける仕事がある日は、その仕事にそれほどの時間を要するかを考える。自宅を出て2時間で戻ってこられる仕事なら、2時間ほどの映画をセットして出かける。戻ったころにはダビングが終わっているか、間もなく終わるかである。で、終われば、直ちに次のテープをセット、新たなダビングを始める。
 ついには、ダビング時間にあわせて仕事のスケジュールを組む。いい加減な会社員であると指摘されれば、返す言葉はない。うなだれるのみである。

 あらゆる避難をものともせず、とにかく時間を無駄にしない。それを突き詰めると、1日に7〜8本のテープをダビングできる。

 テープからブルーレイ・レコーダーのハードディスクに移しただけでは作業は終わらない。最終的にブルーレイ・ディスクに書き込まねばならぬ。これにも時間がかかる。おおむね、1時間55分までのものなら、約20分。それを超すと、もっと長い時間がかかる。テープからレコーダーへ、レコーダーからディスクへ。
 この作業をこの1ヶ月積み重ねてきた。その成果が、

 残り30本

 なのである。

 とはいえ、すべて順調に進んだわけではない。

 いま、テレビ放送から録画に使っているブルーレイ・レコーダー、パナソニックのDMR-BZT810では、通常のブルーレイディスクに、おおむね2時間27分までの映画が、画質を落とさずに入る。それより長いと、記録面を2層にした高いディスクを使う。

 作業に使っているパナソニックDMR-BW800は一世代古い機種で、これだと通常のブルーレイディスクに画質を落とさずに入るのは2時間10分程度だ。
 この差は承知していた。ところが、である。

 テープからダビングした1時間59分の映画をディスクに落とそうとした。すると、

 「このディスクには入りきらないので、画質を一段落とします」

 という趣旨のメッセージが出る。何度やっても出る。そんな。DMR-BW800の取扱説明書にも、おおむね130分まで収録できると書いてあるではないか。

 この説明書は嘘っぱちか、とパナソニックに問い合わせた。マニュアル通りの受け答えしかできない女性にはご遠慮願い、

 「技術が分かる人」

 から電話をもらった。
 その結果、判明したことがある。
 あの、3種の神器を通すと、どうやらデータ量が増えるのだ。3種の神器のどれがそのような悪戯をするのかは不明だが、増えることだけは事実なのだ。
 おかげで、テレビ放送から録画したものなら130分までは通常のディスクに収録できるのに、この作業を経た映画は116分までが限度であることが判明した。
 元のまま記録しようとすれば、記録面が2層になった高いディスクを使わねばならない。作業を始める前に、長時間番組用として高価なディスクは40枚ほど用意していたが、それでは足りそうにない。

 というわけで、買い足そうと、Amazoneにアクセスすると、つい10日ほど前は10枚で1700円台だったものが、何と2700円以上もする(本日現在は2536円)。そうか、ブルーレイ・ディスクも相場商品か。

 というわけで、もっと安いものを探した。といっても、外国製は品質に問題があることは、各所で指摘されている。従って、唯一の指標は Made in Japan である。

 この基準に適合する安い商品があった。太陽誘電の That's BD-Rである。30枚で5900円。手元にあるものより高いが、いま売っているものに比べれば遥かに安い。
 迷わず注文した。何しろ、日本製なのである。

 到着した。使った。

 1枚目。書き込みエラーが出た。
 2枚目。やっぱりエラーした。
 3枚目。何とか書き込み終了。
 4枚目、エラー。


 ここまでの打率2割5分。野球なら、まあ、そこそこの成績だ。しかし、4枚に1枚しか書き込みできないディスクは、明らかに不良品である。念のためにさらに2枚試してみたが、いずれもエラーだった。6打数1安打である。この数字だと、野球選手でも不良品だ。

 と販売元にクレームをつけ、

 「こちらでテストをし、良品と取り替える」

 といわれて送付したのは、もう10日ほど前のことだ。今日になっても何もいってこないから、今朝電話をした。

 「まだ社内テストが終わっていません」

 という。えらく念の入ったテストである。
 それでいつまでかかるのかと聞くと、

 「今週いっぱいには何とか」

 こちらはダビング作業を急ぎ、ディスクがないと困るというのに、売った方は悠長なものである。

 「ま、テストはいいけど、同じ会社の製品を代替品として送ってこられても、使う気にはなりませんけど」

 といってみると、

 「それは分かっております」

 で、

 「使っているのは、パナソニックのディスクです。これだと、エラーは一度も出たことがない」

 と注文をつけておいた。
 週明けぐらいには、パナ製のディスクが30枚、送られてくるのかな。

 もっとも、それでは間に合わないこともあるので、とりあえずパナ製のディスクを20枚、Amazoneに注文した。
 何かと金が出て行く、今日この頃である。


 故郷大牟田市で、高校の同級生が経営していた肉屋が倒産した。昨日、別の同級生からのメールで知った。
 親から受け継いだ事業である。かつては市を代表する精肉店であったが、何が起きたのか。石炭を掘らなくなって人口が減る一方であることが、一因であるのは間違いなかろう。

 桐生で知り合った友が亡くなった。55歳。
 絹に関わる仕事を続け、自分で座繰りをすれば機も織る。デザインにも歴史にも詳しい。その上、書をよくする。桐生が、織物を中核に再起を果たすのなら、なくてはならない人だった。
 合唱。

 余りいい知らせがないここ数日である。

 

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