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 2014年3月18日 経年変化

 月日がたてばあらゆるものが変わる。それを経年変化という。

 舞い上がったホコリはやがて地に落ちる。
 燃え上がった恋はやがて静かな恋となる。
 静かになった恋はやがて空気同然のものとなる。あるかどうか分からぬがなければ死ぬ。
 空気同然となった恋はやがて諦めるか邪魔にするかの選択を迫られる。
 深く負った傷はやがて癒える。

 励めばやがて身につくものがある。
 学べばやがて豊かになるものがある。
 弾けばやがてギターを弾けるようになる。
 カレーは煮込めば煮込むほどコクが乗る。

 こうした経年変化のうち、良くなるものを成長といい、悪くなるものを経年劣化という。

 という基礎知識を押さえた上で。

 愛車のウォーニングランプが突然ついた。昨日、昼前のことである。やや遠出をして、自宅まで2km強の場所であった。見ると、再び冷却液不足である。
 同じランプは先週もついた。心配になって整備工場に車を持ち込むと、

 「見たけど、冷却液がちょっと足りないみたい」

 と冷却液をつぎ足されただけであった。それが1週間もたたないうちの再点灯だ。

 「こりゃあ、やっぱり洩れてるな、冷却液」

 私ぐらいの知性があれば、まあ、この知性も「成長」の賜だが、その程度の冷静な判断ができる。

 「先週持ち込んだときに気がついてくれなかったんだなあ。仕方ない。午後、もう一度持ち込んでみてもらうか」

 と考えながら運転を続けた。
 すると、1kmも走らぬ間に、ウォーニングランプが変わった。見たこともないアイコンで、あわててマニュアルをめくると、

 「エンジンが過熱しています」

 えーっ、それってやばいやン! このままは知ったらエンジンが焼け付くってか!

 が、自宅は目と鼻の先である。恐る恐る車を走らせて駐車場に入れ、慌ててエンジンを切った。
 外に出てボンネットの下を見ると、ああ、こりゃだめだ。冷却液がポタポタ垂れてるのが目で見えるモン。

 整備工場に電話をした。

 「というわけで、4、5日前に見てもらったんだけど、やっぱラジエターか、どっかの継ぎ目から大量に冷却液が漏れてるみたい。そこまで持って行きたいんだけど、この状態で走らせるとエンジンが焼け付く恐れがあるんだわ」

 1時間足らずで、車を詰めるトラックで駆けつけてくれた。こうして、我が愛車はドッグ入りとなった。

 夕刻、電話が来た。

 「ラジエターと冷却水タンクを繋ぐプラスチック製のパイプが割れてます

 ああ、そうか。我が愛車も間もなく8歳になる。走行距離は7万9000km。そりゃあ、劣化するわなあ、プラスチック部品なら。

 「経年劣化だよね。だったら、そのあたりのプラスチック製のパイプ、まだ生きてるヤツを含めて前部取り替えてくれる? あと少なくとも5年は乗る車だから、割れた分だけ交換しても、おっつけ他のパイプも割れるでしょう。この際、前部新しくしておいた方が安心だもん」

 とお願いした。

 で、今日になって、代車として貸してもらったマツダ・デミオの、何ともすべてがガタガタとしか表現できない車に揺られながら考えた。

 「そうかあ。去年の車検、ディーラーに出していたら、きっとこんな劣化するに違いない部品は、まだ割れてなくても交換してるんだよな。だから費用はかさむが、安心して乗れるということか」

 どうやら、自宅から近い手軽さと費用の安さで、街番簿整備工場に出したことがすべての原因らしい。であれば、責任は挙げて私にある。
 ということで、何処にもクレームを持ち込むあてがないのが寂しい私である。

 にしても、だ。
 一刻も早く愛車に戻ってきて欲しい。車格がどうだとか、詰まらぬことはいわぬ。が、あのガタガタの乗り心地は、に悪い。15分ほど運転すると、何となく腰がおかしくなるもんなあ。
 と思い、

 「部品の見積もりを取ってるんですけど、なかなか価格を出してくれなくて」

 という整備工場に、

 「この際、価格は無視します。いくら何でも、購入先によって部品価格が5割も違うなんて事はないでしょう。とにかく時間です。一刻も早く修理して!」

 とお願いした。
 明日、はまだ無理かなあ……。

 で、今日はニュースを見てびっくりした。
 時代はとうとう、ネットでベビーシッターを探すまでに至ったらしい。そうやって探したシッターに預けた子供が死んだ。という。

 おいおい、何の用があったかは知らないが、自分の子供を、ネットで見つけたベビーシッターに預けるか? それって、親として相当に無責任ではないか?

 自分でネット上に原稿を書きながらこんなことを言うのも何だが、ネットってどうしようもなく信用できないものであるという1面がある。いや、ネット上に書き付けられたお話を読む程度なら、だまされたところでたいした被害はない。だけど、危ういネットで得た情報に、自分の大切なものを託したりするか?

 今日も我がメールソフトには、差出人不明の怪しいメールがたくさん入っている。

 「すぐ会いたがる飢えてる女ばっかりだからメールしたら即行ヤれるしww」

 「俺もおばさんの相手してあげたら40万円くれたしwww」

 「外科医をしています。メール、届いてますか?こういう場所だから不安でいっぱいです」


 などという具合だ。つまり、己のスケベ心に素直に従えば、下半身の要求を満たした上でお金までたんまりいただける、というお誘いのメールである。これに反応したら何が起きるかは、反応したことがないから知らない。が、余り幸せではない時間が押し寄せることだけは、誰に教えられなくても分かる。
 片っ端から迷惑メールのフォルダに放り込みながら、

 「こんな見え透いた手口に乗るヤツっているのか?」

 と大いなる疑問を持ち続けながら、だけど、こんなスパムメールが止むことなく来るということは、どこかにだまされるヤツがいるということなんだろう、と考えていたが、やっぱりいるんだね、というのが、ベビーシッター事件への素直な感想である。

 だってさ、たかがお金にしたって、価格コムでは「代金引換」を利用するよう注意している。つまり、商品を受け取る前に代金を振り込んだりすると、そのままドロンする業者や、返品に応じない業者が跋扈しているということだ。ネット上には詐欺師がいっぱいいるのである。
 たかがお金でもそうなのに、自らの大切な子供をネット上のベビーシッターに預けるか?

 無論、子供を死に至らしめた男は悪人である。ではあるが、ネット上のベビーシッターに子供を預けてどこかに出かけた親にも半分程度の責任はあるのではないか。

 と多くの人が思ったはずである。
 それでもスパムメールが途切れることがないのは、ネットとの付き合い方に不慣れな人々がいるということなのであろう。
 
 ネットが登場して、社会は「成長」したのか、社会の「経年劣化」のすえにネットがはびこったのか。

 
 あれよあれよという間に、今週は飲み会が続出している。
 20日木曜日、寿司を食いに行こうと誘われた。
 22日土曜日、居酒屋で語り合いましょうと誘われた。
 昨日が個人的な送別会、明日が公式の送別会であるから、今週は4回も飲み会ということになる。

 3月。肝臓のご機嫌をうかがいながら耐える時期である。

 

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