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 2014年4月17日 山火事

 桐生は山火事である。
 出火が一昨日、15日の遅くなってからだった。布団に入って読書していたら消防車が走る音が聞こえた。

 「火事かな?」

 と思ったが、しばらくすると音はしなくなり、そのうち忘れて寝込んだ。だから

 「あれは山火事だったのか」

 と知ったのは昨朝のことだった。
 燃えているのは桐生の南東部で栃木県足利市と結経を接する山である。興味に駆られて、朝食を終えて車で見に行った。
 だが、山火事とは見にくいもので、近づけば山に遮られて煙も見えない。ただ、煙の臭いは車の中にまで流れ込んでくる。
 離れて市街地に戻ると煙のあがるのが見えるが、あいにく花曇りの日で、空を覆う薄雲に煙が溶け込んで、どこから何処までが山火事の煙なのかはっきりしない。見物には条件が悪い。
 その花曇りの空をヘリコプターが飛んでいた。

 市の職員に聞くと、

 「いやあ、昨日遅く、いや、あれは今朝早くと言った方がいいのかな。とにかく、『火は押さえ込んだ。間もなく消える』と聞いたんだけど、今朝になったら火勢がぶり返したらしくて」

 もっとも、人家からかなり離れているので、彼の表情に深刻さはない。

 だが、燃えているものは消さなきゃならぬ。群馬県のヘリだけでなく、隣県の栃木や茨城、新潟からも災害ヘリが応援に駆けつけ、ついには自衛隊のヘリまで出動して代わる代わる空から水をぶっかけるのだが、火は一向に衰えない。市内何処にいても、次々と水を運んで飛んでいくヘリの音に鼓膜が振動する。五月蠅いったらありゃしない。
 なかなかにしぶとい火事である。


 そのような巷の騒ぎをものともせず、昨夜の私は酒を飲みに出かけた。
 この春前橋に転勤してきた若手が

 「桐生に来ていまして、いま仕事が終わったんですが」

 と電話をしてきたのが6時40分頃。前橋の上司に

 「桐生に行ったら、安堂さんに夕飯ぐらい御馳走になってこい」

 といわれてきたらしい。これもOST(On the Sake Training)か。
 すでに入浴を済ませ、晩酌のビールを飲んでいるところだった。何しろ、昨日は水曜日、休肝日ではないのである。

 「ん? 飯は食ったか? 分かった。いまビールの呑んでいる途中だから、これが終わったら君の泊まっているホテルに行く。待ってろ」

 という次第で、7時過ぎから25歳の若者と酒を飲み始め、さて2次会をどうしようかと考えて

 「うん、うちに来るか?」

 という次第で我が家になだれ込み、ひたすら飲んだ。彼がホテルに戻ったのは11時半頃だったろうか。

 一緒に酒を飲んで、気持ちのいい青年だった。

 「ほほう、我が社にもこのような好漢がいるのか」

 と喜びながら布団に入って、目覚めたのは今朝8時20分。思いの外酔いが深かったらしい。
 でも、何呑んだ? 自宅でビールを1本と1缶。店で生ビールをジョッキ2杯、日本酒の冷やを2合だったか、ひょっとしたら3合か。そして自宅に戻ってウイスキーの水割りを2、3杯。
 たったこれだけで、といいたくなる量ではある。しかも、あの若者、うちに来たらウイスキーをストレートでぐいぐいやってたぞ……。 負けているではないか!

 で、8時20分まで目覚めなかったということは、そう、本日は二日酔いであった。それほどひどくはないが、朝から体を動かすのがいやだったから、これは間違いなく二日酔いである。
 まあ、齢を重ねるとは、一面情けないことである。たったあれだけの酒でねえ。

 と困惑していたら、11時過ぎに電話が来た。今日午後3時に会うことになっていた人である。

 「あのさあ、ちょっと工場で緊急事態が起きて。うん、金型が壊れて製品が作れなくなったんだわ。で、いま緊急対応の真っ最中で、申し訳ないけど、今日の約束、キャンセルさせてくれる? お詫びにさあ、この間話していた焼き鳥の店で御馳走するからさあ」

 いや、御馳走したいのは私の方である。ぼんやりした頭で、

 「さて、3時の仕事、どうやってこなそうか」

 と考えているところに来た電話。感謝感激雨霰の電話だったのである。
 が、そんなことをわざわざ口にすることはない。

 「ああ、それは工場の仕事の方が大事だよね。うん、いいですよ、会うの、先延ばししましょう。で、いつだったらいい? こっちもちょいと切羽詰まってるんで、近い方がいいな」

 人間、先に謝った方が負けだ。今日の私はすっかり勝者の立場に立って話を進めることができた。ありがとうね、壊れた金型よ!
 といったら怒られるかな?


 明日は妻女殿の専属運転手となり、前橋日赤に行く。ドライブと、コーヒーと、読書(つまり、妻女殿を前橋日赤で降ろしたあと、私はけやきウォーク=ショッピングセンター=に行って書店をひやかし、喫茶店で読書しながら妻女殿の診察が終わる時間を待つ)の1日である。


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