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 2014年4月18日 誤診

 というわけで、今日は朝から前橋日赤に向かった。受診の予約時間は11時40分。だが、診察の前に尿や血液を採る必要があるので1時間ほどゆとりを見る必要がある。
 
 というわけで、9時15分すぎに自宅を出た。雨模様の国道50号はすいており、やや早すぎの10時過ぎには前橋日赤に到着した。決して、私のとばしすぎで早く着いたのではない。と思う。

 いつものように、そこで妻女殿を降ろし、私はけやきウォークへ。紀伊國屋書店で光文社刊の新訳、

 「経済学。・哲学草稿」
 「賃労働と資本/賃金・価格・利潤」


 という、いずれもかのカール・マルクスが書いた古典を購入。大学生時代に読んだ記憶があるが、新訳で読んでみようと思い立った。
 あわせて、

 「数学はなぜ生まれたのか?」(柳谷晃著、文春新書)
 「頭の悪い日本語」(小谷野敦著、新潮新書)
 「城を攻める 城を守る」(伊東潤著、講談社現代新書)
 「黒澤明が選んだ100本の映画」(黒澤和子編、文春新書)

 も手にしてカウンターへ。
 高校入試数学に凝っている私、NHKの愚かなアナウンサーの日本語にいちゃもんをつけながらニュースを見る私、やっぱり戦国時代のドラマが好きな私、映画を、中でも黒澤映画をこよなく愛する私、の選択である。

 買い物を終えて喫茶店。アメリカンを飲みながら

 「心理学的にありえない」(アダム・ファウアー著、文春文庫)

 の下巻、特異な能力を持った連中の戦いに読みふけっていると、電話が鳴った。

 「足のむくみは薬の副作用じゃないって、先生が言うの。足の血管の問題だろうって、血管外科の時間を取って下さったから、これからそっちに回るので」

 ん? 足のむくみは薬の副作用じゃない? だったら、これまで利尿剤で副作用を抑えようって治療方針は間違ってたってことか?
 まあ、命に関わるほどではないとはいえ、これも立派な誤診である。
 しかし、私があれこれいう話ではない。今日一日で足のむくみの原因がはっきりし、今日からきちんと治療ができるのならそれにこしたことはない。

 「わかった。じゃあ、12時頃に病院に行けばいいか」

 12時頃に病院に着いた。妻女殿はまだ血管外科の診察中であった。終わったのは12時50分頃である。
 これで終わりかと思ったらそうでもない。妻女殿の主治医は、あくまで膠原病の専門医である。血管外科医の出した診察結果も綜合して治療方針を決めるらしい。

 「なので、安堂さん、お昼を済ませて1時半頃までに戻ってくれる?」

 とは、看護師が妻女殿に申し上げられた言葉であった。
 1時半? まともなものを食べていては間に合わない時間だ。

 「じゃあ、ラーメンでも食うか」

 先週、病院に向かう途中で、屋台の熊本ラーメン店を目にした。が、先週は暑かった。屋台でラーメンを食べたら汗が出て止まらないはずだ、と見送った。が、今日は肌寒い。ラーメン日和なのであった。

 チャーシューが沢山載ったラーメンにライス。そこそこ満足して病院に戻り、妻女殿は診察待ちで、私は延々と読書を続けた。確か、昨日は100ページほどしか読んでいなかった「心理学的にありえない」下巻を読み終え、次に

 「2001年宇宙の旅」(アーサー・C・クラーク著、ハヤカワ文庫SF)

 を78ページ読んだところで、やっと病院から解放された。自宅に着いたのは5時前である。

 病院に丸一日費やしたが、2回に分けられるより遥かに助かる。それ以上に、妻女殿が不快を訴え続けた足のむくみの本当の原因が分かってありがたい。原因さえ分かれば、治療の仕方はいくらでもあるのがいまの医療水準である。

 とにかく、妻女殿の不快感が少なくなれば私は助かる。はずである。
 何しろ、妻女殿の不快感のはけ口はすべて私に向かう。片言隻句を捉えて私に楯突く。昔こんなことうぃったと私にかみつく。子供の電話での対応が不愉快だと私に当たり散らす。
 いずれも病がいわせるのだと頭では分かっても、いわれりゃこちらだって気分は良くない。聞こえないふりをし、無視し、やり過ごそうとしても、時折、ついつい

 「バカタレ!」

 とやってしまう。
 人間関係とはそのようなものであるとは思いつつ、しかし、妻女殿の不快感が減少れば、2人の関係から不快の原因の一部は取り去ることができる。そう願う私である。

 というわけで、帰宅が遅くなったので、今日の夕食は外食とした。寿司の「さいとう」である。

 ま、足のむくみの原因がはっきりして多少は気分が晴れたのか、店主に向かって妻女殿はおっしゃった。

 「いえねえ、私は病気があって、今日も前橋日赤に行ってきたんですけど、旦那は腰がいたいという程度で何処も悪いとこないんですよ。ま、普通に考えると私が先に行くんですけどね、でも、これだけは分からないじゃないですか。病気を持ったまま私が90まで生きて、健康だ、健康だと思っていた旦那が先にいっちゃうってこともあるじゃないですか」

 ほほう、妻女殿は野望を持っていらっしゃるらしい。俺を先に死なせて何をしようってか?
 ま、仮に私が先にいったら、そのあと何をしようと知ったことではないが、ここは一言あるべきである。

 「馬鹿者。お前が先に行ってくれないと、俺は順番待ちの列を捌けないのだ。そこを考えろ」


 刺身、寿司を美味しくいただき

 「勘定、ちょっと高かったな」

 といいながら8時過ぎに帰宅した。

 我が愛機、iMacがちょいとやばい。時折、ハーディスクのファンが激しく回転してかなり大きな音を立てる。臨終が近いのか。

 「だからさ、君の友だちにMacに詳しいヤツがいるっていってたよな。その彼に、ハードディスクを取り替えてもらえないかなあ。礼はする。少し前のiMacなら自分でできたけど、いま使ってるのは前面のガラスをはずして、放熱用のテープをハードディスクの所定の場所に貼って、なんて面倒臭いらしい。自分でやる自信がないモンだから、頼むわ。うん、来週中に何とかならないかなあ。必要な物は事前に言ってもらえればネットで買っておくから、とにかく連絡をちょうだい」

 と最近知り合った若者に依頼した。明日には返事が来るはずである。
 愛機の運命や如何に?

 

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