●日誌一覧

シネマらかす

グルメらかす

音らかす

旅らかす

スキーらかす

事件らかす

 2014年12月27日 風邪の初期症状

 夜中に目覚めて、

 「あれ、俺、風邪をひいちゃったんだ」

 という事実を知る、初めての経験をした。
 さて、目覚めたのが何時だったのか、時計を見なかったので判然としない。とにかく、夜中に目が覚めた。覚めて、鼻水が流れていることに気がついた。故に目が覚めたらしい。鼻水? 風邪? 昨夜までは風邪の「か」の字の兆候もなく、健康に布団に入ったはずだった。

 とはいえ、とにかく鼻から鼻水が流れ落ちている。やむなく、枕元にあったはずのティッシュボックスに寝ぼけ眼で手を延ばし、ティッシュペーパーを1枚取り出して鼻水をふいた。
 それでも、あとからあとから鼻水が出る。やむなくもう1枚、あと1枚とティッシュペーパーを取り寄せ、ぬぐってぬぐってぬぐった。

 困るのは、あまりにまともに鼻水をぬぐっては、完璧に目が覚めることである。完璧に覚めてしまえば、さて、次に眠気がやって来てくれるのはいつになるだろう? とおぼろげに考えるから、できるだけ目が覚めないように、意識の半分は眠りの中に置きながらティッシュペーパーをたぐり寄せては鼻水をぬぐう。
 ぬぐいながら、

 「おいおい、いつ風邪の菌をもらった?」

 と考えようとするが、きちんと考えてしまっては目が完全に覚めてしまう。考えながら、でも、考えないようにして鼻水をぬぐう。
 おかげで、いつの間にか、再び夢の世界に入ることができた。

 目覚めたのは7時半頃である。目覚めた瞬間、ガーンと頭が痛い。鼻水が出る。かんでもかんでも止めどなく鼻水が出る。

 「あ、風邪ひいちゃった」

 私の今日は、このようにして始まった。


 昨夜は突然の飲み会となった。誘ってきたのは、あのO氏である。

 「ね、あの人を入れて3人で、うちで飲まない?」

 あの人とは、O氏をしのぐ桐生市の元有力者である。
 ま、元有力者であろうと、今の有力者であろうと、誘われたら断らない。そりゃあそうだろう。私が御願いもしないのに、この私と飲みたいといってくれるのである。そのような誘いを断っては人倫の道にもとる。

 夕刻6時過ぎに我が家を出た。寒かった。腰にホッカイロを貼り、マフラーをミラノ巻きにし、厚めのダウンジャケットを着込んで、それでも股引は絶対にはかずに出かけた。このところ、私より遥かに若いのに、冬場になると股引のお世話になる連中が多すぎる。私なんぞ、股引は所有していないのである。

 飲み会はすこぶる愉快であった。O氏をしのぐ元有力者はすっかり私に魅せられたようで、焼酎のウーロン割りをグイグイ飲み、時折熱燗にも手を出す。談論風発、私も負けじと、熱燗、冷やを流し込む。刺身とハマグリの入った鍋と、なぜか炒めたウインナーソーセージが肴であった。そうそう、我が家からは、我が家で漬けた白菜の漬け物、大根のぬか漬けを持参して好評だった。

 終えたのは午後10時頃だったろうか。O氏の奥様運転の車で、まずO氏をしのぐ元有力者をご自宅に送り届け、次いで私を我が家に送っていただいた。すでに妻女殿は安眠されている我が家で、私は御茶を入れ、にぎりめし(出しなに、作っておくよう妻女殿に御願いしてあった)をほおばって腹を満たし、歯を磨いて布団に入った。布団に入った時は、酔いを別とすれば完全に健康体であったはずである。

 「それなのに、何故?」

 朝、ドラッグストアが開くの待ちかねて風邪薬を買いに走った。ついでに、妻女殿ご所望のヴィックスドロップ(シュガーレスタイプ)も買い求めた。
 それを持ち帰り、説明書を読むと、食後、できるだけ30分以内に服用せよ、とある。あらまあ。いま飲んじゃいけないんだ。

 「というわけだから、昼飯はやめにして」

 妻女殿に御願い申し上げて、ひたすら昼飯を待った私であった。


 風邪の初期症状に苦しむ。本来なら、薬を服用して自宅でじっとしているのが一番だろう。ところが、そうもいかない事情があった。

 餅つきの会

 に、何故か招かれていたのである。午後1時から夕方まで。主催者は、フラメンコの先生である。フラメンコなんぞには全く関心がない私なのに、何故か知り合いなのである。

 「餅つき? 腰が悪い俺には無理だよ」

 と思いつつ、でも、せっかくのお誘いを断れるほど私は気が強くない。3時頃でかけた。
 ま、杵も持たず、餅も丸めず、もちろん口に運ぶこともなく戻ってきたのだが、現地でO氏に会った。昨夜以来である。もとはといえば、フラメンコの先生を私に紹介したのはO氏であるので、再会するのは当然なのである。ついでに、O氏はしつこく私をフラメンコに誘う(O氏は、この先生の弟子である)のだが、ひたすら拒絶しつつけているのはいうまでもない。

 「いや、風邪ひいちゃってさ。あなた、風邪ひいてた? 俺にうつした?」

 問詰してみると、O氏はいった。

 「えっ、安堂ちゃんもひいたの? 実は俺も突然風邪をひいちゃってさ」

 何のことはない。彼も昨夜、風邪をひいたのだという。見ていると、ポケットからティッシュを取り出し、盛んに鼻をかむ。ティッシュでぬぐいきれない鼻水が、鼻の下にこびりついている。
 そのころ、昼食後に服用した薬の効果か、私の鼻水はほぼ止まっていた。してみると、O氏の方が重症か。

 彼も、昨夜の飲み会までは全く風邪の症状はなかったという。

 「だったら、何で2人揃って、突然風邪をひくの?」

 「昨日、あの部屋、寒かったかね?」


 今日は、土曜日。本来なら禁酒日である。が、日本酒を燗酒で飲んだ。風邪対策である。体が中から温まり、食事をしながら汗をぬぐった。その後、風邪薬を服用したことはいうまでもない。
 さて、明日は快復しているか?


 前橋の強盗殺人犯が捕まった。金が欲しくて、年寄りだけの家庭に押し入ったのだという。
 が、テレビで見るかぎり、この26歳の兄ちゃんが押し入った家は見るからにみすぼらしく、大金が自宅に置かれているとはとても思えない。金が欲しかったのなら、どうしてこのような、一見「貧困」としか見えない家を狙ったのか。

 永山規夫

 をご記憶だろうか。彼は貧困故の無知から、タクシー運転手など確か5人をピストルで射殺した。収監後作家活動を始め、「無知の涙」などの著作を残した。

 前橋の事件、何となく、永山規夫を思い出させる。さて、そこに触れてくる報道がこれから出て来るだろうか?


前の日誌                             
無断               メール