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 2015年1月8日 トイレ修理

 ふと、トイレの修理を思い立った。
 年末、トイレから異音が出た。数ヶ月前に聞いた音である。その時は何のことか分からず、この家を建てた工務店を呼んで修理してもらった。それなのに、また同じ音なのだ。

 気がついたのは、我が妻女殿である。いわれて、トイレに行き、音を聞いた。同じ音にあきれかえり、

 「このボロ便器。放っとけ!」

 と言い放った。
 まあ、勢いに乗って放言するのはいい。しかし、言い放ったところで、音は止まらないのである。やむなく、数日前、トイレの水タンクの蓋を開け、中を覗いた。

 確かに、音はここから発している。しかし、いったいどこから出ているのか? あちこち探ったが、よくわからん。
 水を流してみる。本体から離れた操作盤のボタンを押しても流れない。本体の一部に隠すように取り付けてある緊急用のレバーを引くと流れる。流れたあと、しばらく給水をし、それが終わると、再び異音が出始めた。

 どこかがおかしいのである。何処がおかしいのか分からないときは、そもそもどのような構造になっているかを探らねばならない。
 何度か給水と水流しを繰り返し、何となく構造が見えた。

 操作盤のボタン、あるいは緊急用のレバーを操作すると、タンクの中にあるプラスチック製のバーが動く。このバーには鎖が取り付けられており、その鎖が別のところにあるレバーを引っ張って給水弁を開ける。

 「なるほど、このような仕組みになっているのか」

 このような仕組みになっている以上、便器に勢いよく水を吐き出す弁も、同じバーで操作しているはずだ。なのに、バーには鎖は1本しかつながっておらず、バーの、その鎖の反対側には、いかにも

 「鎖を取り付けるところですよ」

 といわんばかりの部分があるのだが、そこには鎖がつながっていない。

 「ははあ」

 と気がついた私は水の中に手を伸ばした。あった。鎖が水の中で横たわっていた。その鎖をひくと、水が勢いよく便器に流れ込む。

 「そうか、この鎖がちぎれていたのか」

 分かれば、あとは何でもない。鎖の一端を、本来あるべき場所に取り付ければいいのである。

 取り付けた。なのに、異音は止まらぬままだ。

 「何故だ?」

 よくよく見ると、鎖がやや短く、本来なら鎖が緩んで弁が閉まっていなければならない状態の時でも弁がわずかに口を開いている。
 これで分かった。前に修理した工務店は鎖の断裂に気がつき、残っている鎖の先端をバーに取り付けた。幸い、それでも長さは足りた。ために、異音は一時治まった。

 ところが、やはり鎖が短すぎたのだろう。その後の使用で、本来あるべき長さより短くなった鎖は情事常時緊張を強いられ、短い時間で再び切れてしまった。

 「ふむ、であれば鎖を交換すればよろしい」

 とは考えたが、あいにく手元には交換用の鎖はない。しばらく考えて、

 「要は、鎖の長さを延ばせばいいのだ」

 と思いつき、手近にあった針金を鎖の先端に巻き付け、針金のもう一方をバーに巻き付けた。操作盤のボタンを押すと、正常に水が流れる。直ちに給水が始まり、それが終わっても異音は出ない。

 「よし、いずれにしても借家なのだ。これでしのぐか」

 見た目は悪いが、なーに、鎖でつないだところはカバーの内にあり、目には見えない。

 「おい、治ったぞ」

 妻女殿にお伝えして、トイレの1件は終了したはずだった


 しかし、である。
 私がやったのは応急処置である。であれば強度は低い。しかも、針金でつないだところは、水に浸かったり空中に曝されたりを繰り返す場所だ。錆びやすい。ということは、せいぜい半年の寿命か。

 それがどうにも気になり始め、今朝、鎖を買い求めに行った。本格的な修理をして、安心して要を足せるようにしょうと思ったのである。

 使用中のトイレ故、鎖を取り外して持っていくわけには行かない。

 「おおむね、この程度の太さ」

 という記憶を頼りに、鎖を2種類買って帰宅した。直ちに修理開始である。

 鎖を取り替えるには、まず鎖を取り外さねばならない。バーにかかっている方は簡単に外れた。さて、今度は弁についている方だ。
 手で探るが、さて、鎖がどのように取り付けられているのか分からない。懐中電灯を取り出して照らしてみたが、それでも不明である。弁はプラスチックの部品に取り付けられている。そもそも組み立てたのだから、このプラスチック部品も分解できるはずで、分解して鎖につながった弁を取り出せば作業は進むはずだと考えたが、このプラスチックの部品が、さて、どうやったら取り外せるのか。

 なにしろ借家である。無理矢理取り外して、プラスチック部品を破損したら元も子もない。

 されば、とインターネットで調べた。ところが、この弁の構造図がどうしても出てこない。最後の手段はメーカーに聞くことである。

 「ということで、この弁の部分の構造図が欲しいのですが」

 と問いかける私に、電話で応対した女性はいった。

 「お客様、その分につきましては、私どもでもはっきりしたことは分かりかねます

 どうしてこの人達は、私をプッツンさせるようなことを口走ってしまうのだろう? それとも、世の多くの人々は、この程度の応対ではプッツンせず、私だけが気が短いのか?

 「あなたねえ、メーカーの方ですよね。私がよくわからないのは当たり前だけど、あなたが分からなかったら、誰が分かっているの? そもそも、仕組みがはっきりしない商品を高い金で売ってるわけ?」

 私の勢いに恐れをなしたか、その上司らしき男性が電話に出た。

 「申し訳ございません。その部分の修理は我々の方におまかせいただくことになっておりまして」

 えっ、たかが鎖の交換だぜ、という私に彼が説明したのは、おおむね次のようなことだった。

 便器の修理は、ユーザーによるもの、工務店によるもの、メーカーが直々にするものに別れる。メーカーからすれば、前2者で修理できればありがたいのだが、今回の故障箇所はメーカー直の修理対象である。
 自分も技術系の人間なので、おおむねのことは自分で修理する。だが、排水弁にかんしては、専門の技術員に任せる。ここは便器の仕組みの中でも非情に微妙なところで、変に手を加えると貯水タンクから水があふれ出す事故にもつながりかねない。

 「だって、私の場合、針金を使って長さ調整をしたんだよ。それで正常に動いているんだが」

 それはたまたまうまく動いていると考えて欲しい。とにかく、その部分には手を入れないでくれ。

 「しかし、ここは借家で、私の判断でメーカー修理を依頼するわけにはいかないのだが」

 家主さんにお話しいただきたい。

 「いや、ここの家主はケチでさ。だから、自分で直そうと思ったんだけど」

 てなやりとりで、結局、本格的な修理は自分の手ではできず、我が家の便器は当面、針金を使った応急修理状態のまま稼働することとなった。まあ、パンクしたタイヤを幅の狭い補助タイヤと取り替えて走っている車の状態である。

 「ということなんだよね」

 と、家主と私の間に入ってくれている工務店に電話をすると、

 「分かりました」

 といってくれた。家主と話しをしてくれるらしい。
 いずれはメーカーから修理担当員が来てくれることになるのだろうが、当面は危険操業を続けざるを得ない我が家のトイレである。


 そういえば、池上彰氏が、朝日新聞での連載を再開すると数日前に報じられた。朝日新聞の改革への取り組みを評価して、とのことだが、あの程度の改革でいいのか?
 いずれにしても、朝日騒動はこれで落着に向かうのだろう。勢いに乗って朝日をやめた「朝日マニア」も、これを機に再び読者になるに違いない。だって、彼らは、読売や産経の路線が大嫌いなのだから、他に選択肢はないのである。

 それにしてもだ。池上彰。たかだかNHK元記者、元キャスターが、点火の朝日新聞のキンタマを握る実力者になるとはどういうことだ?
 ん? よくよく考えれば、たかだかNHK元記者、元キャスターにキンタマを握られた朝日新聞がだらしないというのが正解か?



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