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 2015年4月24日 修理

 しばらくバタバタしていて、やっと今日、暮らしにゆとりが戻った。ゆとりが出れば、趣味に走るしかない。というわけで、家電量販店に出かけた。カードケースを買うためである。もちろん、microSDカードをI君に送るためだ。

 買い物に先立って、例の黒コンピューターを分解した。分解せねばmicroSDは取り出せない。ケースの買い物に先立って、microSDカードとはいったいいかなるものであるかを知るためにも必要な工程である。

 まあ、作ってくれたI君も驚いたようだが、実に貧弱なケースだ。黒いプラスチックの6枚の板に適当な切り込みと引っかかりをつくり、曲げれば元に戻ろうとする力を使って組み合わせただけのペラペラである。コンピュータは2枚の基板でできており、ケースに固定さえされていない。基板の大きさに合わせて作られたケースに、きっちりと入っているだけである。
 できることなら、もう少しきちんとした箱に入れてあげたい。私でなくともそう思ってしまうのではないか。まあ、私は面倒さが先に立って作業に手をつけそうにはないが。

 基板を取り出してあちこち覗いていたら、ちっぽけな板っきれが挿し込まれているところを見つけた。こいつに違いない、と中の板を引き出したところ、やっぱりこれがmicroSDカードである。表面の印刷を見ると

 4G

 と書いてある。ほう、これに4Gのデータが入るのか。まったく凄い時代になったものだ。

 私がパソコンに触り始めた20年ほど前、最初にパソコン(私の場合は、一貫してMacである)に挿してあるメモリーは、確か4MM(メガ)とはG(ギガ)の1024分の1の単位である。
 4Mではパソコンは安定しない。せめて8Mのメモリーにしたいと秋葉原に出かけ、

 「こっちの店が安い。もっと安い店はないか」

 と歩き回った挙げ句、わずか8Mのメモリーを、確か4万円近く出して買った。家に戻って

 「メモリーは静電気で壊れるから」

 と、まず入念に手を洗い、金属の蛇口にふれて体内の静電気を逃がし(あとで知ったことだが、金属は蛇口部分だけで、配水管は塩ビであった。これでは地面とは電気的に絶縁されており、静電気が逃げることはありえない)、木綿のバスタオルを広げてMacを起き、慎重に分解してメモリーを差し替えた。
 わずか20年でこの変化。われわれは凄い時代に生きている。

 ま、それはそれとして、取り出したmicroSDカードを、なくさないように、たまたま机の上にあった目薬の袋に入れ、ポケットに入れて家電量販店に向かったのである。

 そして夕刻、クッション入りの封筒に入れて投函した。恐らく、1週間もすれば修復されたカードが届くはずである。そして再び、我が事務所の音質が向上する。待ち遠しい。


 全国各地がそうであろうが、統一地方選挙である。今週はその後半戦とかで、市町村長、市町村議の選挙が進行中だ。朝から選挙カーが町中を走り回り、ただただマイクで名前を連呼する。候補者とは自分の名前を安売りする連中の別名か。そもそも、名前を叫んで何の役に立つ? 無意味な喧噪は神経に触る。

 「で、安堂ちゃん、入れてくれるんだろ」

 我が友人O氏はいま、市議選に没入中だ。いや、彼が出るのではない。知人が出るのだ。その応援団、というか指導者を買って出ている。
 その知人、私も知る仲である。一緒に酒を飲んだこともある。だから、私はいってしまう。

 「どうして、あいつ?」

 「だって、他よりましだろ」

 まあ、男同士の会話とは、味も素っ気もないものだ。で、私はさらに、会話を無味乾燥にすする能力がある。

 「だけど、あいつ、市議には向いてない」

 頼まれても悪いことはできない男であることはよくわかる。だが、悪いことができなければ市会議員になる資格があるのか? ない。

 「あいつ、頼まれたことは地道にやるけど、絶対に前に出ない。役員になって、あるいは長になってイベントをいくつも取り仕切っているはずなのに、存在感ゼロ。あとで思い出したって、『そういえば、あいつ、いたっけ?』ぐらいの記憶しか残らない。それが市議? 違うだろ!」

 それだけでやめておけばよいものを、と反省するのは、いつもあとになってからである。

 「第一、あいつが議論をリードしたことある? 最初は何かモゴモゴ言っているけど、大勢が自分の意見と違った方に進み出すと、いつの間にかその流れに乗っている。まあ、風見鶏といったっていいんじゃない? リーダーとか代表とかいうのに一番向かないタイプだと思うよ」

 ここまでくると、O氏もモゴモゴ言い始める。

 「いやあ、それはそうなんだけどさあ……」

 で、O氏は今日も、そいつの選挙事務所にいったらしい。夕方電話をしたら

 「毎日行ってるんだけど、イライラして、帰りは必ずひとりで酒を飲むんだよね。そのまま帰っても落ち着かないからさあ。今日もそうなるんだろうなあ……。あ、どう? 今日は一緒に呑まない?」

 そんな誘い方をされれば、こちらにも多少の同情心は沸く。そうか、毎日ひとり寂しく呑んでんだ。まあ、今日は付き合ってあげようか。

 「わかった。行きましょう」

 1時間ほどしたら電話が来た。

 「話してくれ、っていわれてね。だから、終わるのが7時半頃になりそうなんだけど、それまでひとりで飲んでてもらうのもなんだから、今日は延期ということで……」

 きっと今ごろ、ひとりで酒してるんだなあ。
 だけど、ここまで来ると、ついつい思ってしまうのですよ。

 「頼りないヤツだけど、私の清き一票をあげてみようか。どうせ通りっこないから害もないはずだし……」

 地方選挙とは、こうして当選者が決まっていくものなのだろうか?

 注目は市長選。一企業の横暴を防がねばならぬと、1月20日の日誌に書いたが、桐生市民が企業植民地になることを選ぶかどうかが26日に決まる。
 私は、植民地には住みたくない。ほとんど投票などしない私だが、今回は清き1票を行使するつもりである。



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