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 2015年5月23日 9年

 我が愛車を4回目の車検に出したことはすでにご報告した。いまは手元に戻ってきて快調に桐生の大地を疾駆しておる。

 車検が4回目ということは、我が愛車は、まっさらの新車で日本の道を走り出したあと、すでに9年がたったということだ。中古車も中古車、立派な中古車である。

 何が立派かというと、次々と故障箇所が出て来ることだ。
 ま、車検だから、検査で分かる不良箇所はほとんど修理されて戻ってきた。
 だが、機械とは融通が利かぬものである。検査を受けているときは正常でも、検査ラインを離れてどの程度の時間正常さが続くかは保証の限りではない。

 一昨日のことだった。
 いつものように我が家を車で出て、しばらく走ったあと、ふと視線をナビのディスプレーに投げた。

 「ん?」

 異変は一目で分かった。青い。ディスプレーが青い。
 ブラック・アウトという言葉は知っている。視野が真っ黒になって気を失うときなどに使われる。しかし、ブルー・アウト、という現象に立ち会ったのは、これが初めてであった。

 「マップディスクを入れて下さい」

 私のナビはパイオニア製のDVDナビである。そこから判断して、地図データが入ったDVDディスクどうにかなったらしい。
 目的地について、ナビのディスクドライブを見てみた。ディスクのイジェクトボタンを押す。ヌルーっという感じでディスクが姿を現した。

 「なんだ、入ってるジャン」

 そっとディスクを押し込み、遠くにある(我が車のディスクドライブは、荷物スペースの下に設置してある)ディスプレーを見る。だが、やっぱりブルー・アウトしたままだ。

 「どうなってる?」

 もういちどディスクを取り出し、今度は記録面を見てみた。どういう訳か一部がある。これまで一度も取り出したことがないのに傷があるとはどういうことだ? 最初から傷ついたディスクだったのか?
 それだけでなく、外縁部にうっすらと曇りがあった。同じ理由で、

 「どうして汚れる?」

 と首をひねるが、ひねっても分かるわけではない。
 とりあえず、曇りをシャツでぬぐい、再びディスクを押し込んだ。おう、今度は地図がちゃんとディスプレーに表示された。

 「そうか、ディスクの汚れのせいだったか」

 と一安心したのもつかの間、その日の夕方、再びディスプレーがブルー・アウトした。これはいかん。

 「ということなんだけど、どうしたらいい?」

 つい先日、車を引き取りに行ったばかりのディーラーに電話をかけた。

 「はあ、安堂さんの車は4回目の車検でしたよね」

 「そうだけど」

 「だとすると、仕方がないかも知れませんね」

 「どういうこと?」

 「いや、9年も故障せずに動いていたことの方が奇跡に近いかも知れませんので」

 なるほど。わがナビは、そろそろ寿命が来たということ?

 「では、どうしたらいいの?」

 「まあ、取り外してメーカーに修理に出すことになるのでしょうが、でもねえ、今は安いポータブルナビも結構出回っているので、買った方が安いかも知れません」


 ナビを買い換える? しかし、中古車に着いているナビも、それなりに動いているのになあ。
 それに、自宅で使っているCDプレーヤーやブルーレイ・プレーヤーは結構長い間、故障せずに動いているぞ。レンズで情報を読み取る機構に変わりはないだろうに、ナビだけがそんなに寿命が短いの?

 さて、修理に出したものか、新しいナビを買ったものか。それともiPadを持ち歩いてナビ代わりにするか?

 あれこれ考えていて、

 「待てよ、その前にやることがある」

 と思いついた。
 実は我が家のブルーレイ・プレーヤーが、ディスクによって再生したりしなかったり、調子を落としたことがあった。Panasonicに問い合わせると、

 レンズを掃除されてみてはいかがですか?」

 とアドバイスされ、ガイドに従ってPanasonicのレンズクリーナーを買ったのである。それで掃除をすると、再生できないディスクはなくなった。

 「であれば、ナビのディスクドライブのレンズも、あれで掃除してみるか」

 一部に毛の生えたディスクをドライブに入れる。すると、ディスクがクルクル回り、その毛で読み取り用のレンズに着いた汚れを取り去る、という仕組みである。

 私のクリーナーは、毛先に液をつける湿式である。
 がナビの掃除をするときは、それをすっかり忘れ、液をつけないまま入れた。それでも、掃除が終わって地図の入ったディスクを装填すると

 「おお、出たよ、地図が」

 それが確か、昨日朝の出来事である。それ以降、ディスプレーがブルー・アウトすることはなくなった。が、まだ安心するのは早かろう。いつ何時再発しないとも限らない。

 だが、1つだけ分かったことがある。
 ディスクドライブのメカはちゃんと動いているということだ。不具合は、情報の読み取り部分にある。
 そういえば、車内で笛を吹いているようなかすかな音を感じたことがあった。しばらく前からのことで、

 「何の音だ?」

 とオーディオを消しても、音はする。
 ナビの故障で原因が分かった。あの音は、ディスクからなかなか情報が読み取れないので、何度も何度もディスクを回転させていた音だったのに違いない。
 ディスクドライブのレンズを掃除したあとは、あの音はしなくなった。だから、多分大丈夫なのだ。

 なーに、症状が再現しても、私にはまだ奥の手が残っている。
 湿式のレンズクリーナーを、本当に湿式にしてレンズを掃除するのである。掃除するときに液をつけなかったのは私のミスだが、おかげで奥の手が残ったのである。

 ナビよ、手入れはしてあげる。だから、車と共に長生きせよ。

 心からそう願う私である。



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