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 2016年2月5日 進次郎

 私は、自民党が大嫌いである。やること、なす事が気に触る。
 これは貧乏人だった青少年時代の名残であろう。俺がこんな惨めな思いをするのも、みんな自民党が悪いのよ。その三つ子の魂がいまだに私に根付いている。

 私は見た目のいい男が大嫌いである。やること、なす事が気に触る。
 これは僻み根性のもたらすものである。あの娘の視線がどうしてお前にばかり行く? 何故に私は一瞥もしてもらえない? 私には責任のない生まれつきの資質でこれほど差がつくのは正しいことなのか? むかつく! 肥だめに頭から突っ込んで殺してやろうか?!

 であるが故に、私は本来、この男を心から嫌わねばならぬ。憎まねばならぬ。挙げ句、殺さねばならない。

 小泉進次郎

 なのに、だ。
 先日の日経新聞の記事を読んで、

 「こいつ、ひょっとしたら政治家として本物か?」

 と考えた。

 進次郎は昨秋、党の農林部会長に就いた。これまでの常識なら、農林属の一員となったわけである。一般的に、農業に巣くい、ポケットに突っ込むべき利権を探し求める連中を、敬意をこめて「農林属」と呼ぶ。

 ところが、進次郎は一風変わっているらしい。年明け早々に

 「農林中央金庫はいらない」

 といってのけたのだという。

 農林中金は96兆円もの金を集めながら、農業融資には0.1%しか回していない。こんなもの、いらない。
 正論である。
 元々は農民の互助のためにできた組織のはずだ。農民が、爪に火をともすようにして残した金を預ける。それを集めて目先で金を必要としている農民に貸し出す。困ったときはお互い様。力を合わせて、みんなで農業を守り育てようじゃないか。
 ところが、農民から集めた金は巨大なファンドと化し、株や債権の市場を動き回って巨額の、汗の臭いがしない金を稼ぎ出す。
 そんな農林中金が税制で優遇されている。どう考えても、おかしい。

 だが、本来の農林属の目からは、大金持ちである農林中金は、自分のための堅牢な大金庫に見えるのに違いない。必要なときはいくらでも金が出て来る。その大事な金づるがなくなっては、農林属をやっている意味も、政治家をやっている意味もなくなるのだ。

 そこに進次郎が手を突っ込んだ。本来の農林属は目を白黒させているに違いない。

 そして進次郎は、農協にも批判の矛先を向けた。農協を通じて買うと、農業資材がべらぼうに高いというのだ。段ボールもポリ袋も、ホームセンターで買った方がずっと安い。だったら、何のための農協なの?

 これも本来の農林属にいわせれば

 「だから俺たちのポケットに入る金が出て来るんだろ?!」

 というところなのだろう。

 薄汚い利権が十重二十重に詰め込まれた暗黒大陸に挑み始めた進次郎は、本来の農林属からの激しい抵抗にぶつかるに違いない。だから、いまの主張を実現できるかどうかはまだわからない段階だ。

 それでも、抵抗を恐れずに挑み始めた姿勢を、私は高く評価する。主張の一部でも実現できれば、私は評価をうなぎ登りさせる。
 と期待するが故に、本来ならすぐに出したい暗殺指令を、とりあえずは取り消した私である。


 にしても、だ。
 こんな大手術、長らく政権与党にいる自民党がやることか?
 論理的には、守旧勢力の固まりであった自民党政権を倒し、政権交代を成し遂げた民主党政府がやるべきことではなかったのか?
 ああ、それなのに。
 民主党は、農林中金や農協に手を突っ込もうとしたか?
 そもそも、民主党は国民の役に立つことを1つでもやったか?

 醜悪としかいいようのない岡田克也の顔がテレビに出るたびに、

 「恥知らず! お前のいうことなんか、一言も信用できまへんで!」

 と胸の内で罵声を浴びせる私である。進次郎の爪のアカを煎じて飲む覚悟ができれば再評価してやってもいいが、100年待ってもそんなことはしないだろうな、こいつ。

 そういえば、岡田の父ちゃん(ジャスコの創業者)が

 「あいつは東大なんかに行くからおかしくなった。あの歳になって学生みたいなことしかいえないのは、東大を出たからだ」

 と言ったことがあると聞いた。

 本当にそんな発言があったかどうかの真偽は不明だが、あまりにもよくできたピッタリの表現なのでここで紹介しておく。



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