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 2016年4月26日 キリン

 キリンの「キリカ」が死んだ。
 といっても、皆様、御存知あるまい。キリカとは、日本の、北関東に属する群馬県の東の方にある桐生市が運営している桐生が岡動物園(これ、入場料が、なんとただ!)にいた7歳のメスキリンである。

 世界に通用する、いや少なくとも日本ではメジャーになりたいとの野望を抱いて「らかす」を立ち上げて苦節10年。いまだにマイナーなホームページに留まるが、心意気だけは変わっていない。なのに、なんでこんなローカルな話をわざわざ取り上げる?

 キリカ嬢の死を私に知らせたのはのは新聞報道であった。 今朝は、確か全国紙の地方版が報じていた。いま手元にあるのは、地元の夕刊紙、桐生タイムスである。この地元紙は3段の見出しで

 「雌キリン『キリカ』死ぬ」

 とやっている。
 
 無論、目くじらを立てるような記事ではない。が、目くじらは立てないにしても、なんでこんなことがニュースになるんだ? という違和感は残る。

 「おい、キリンっていうのは、人間様より偉いんか?!」

 桐生タイムスを1ページめくって14ページに戻ると、お悔やみ欄がある。亡くなった方々を掲載した欄である。亡くなった方々の氏名、住所、死因、葬儀・告別式のお知らせ、喪主が記載されている。が、見出しはない。すべてベタの扱いだ。キリカの死が掲載されたのと同じ日に新聞に載った方々は74歳から91歳までの6人である。

 それほどの時間を生きてこられた方々だ。楽しいことも悲しいことも苦しいこともつらいことも数多くあったに違いない。だが、その一生が、わずか10数行で告知されている。写真はない。

 一方キリカ嬢は、健在だった頃の写真付きで、記事は30行。

 なんか違わないか? キリンって、それほど人間様より価値があるのか? たかが動物園の動物が死ぬことが、人生を生き抜いた人々の死より、ニュース価値が大きいのか? だとしたら、ニュースって、いったい何なんだ? 

 いや、ホント、世の中には訳のわからない価値序列をお持ちの方が多数いらっしゃる。

 捕鯨を敵視する方々は、クジラを食べない方々である。だが、牛や豚は平気で口に運んでいらっしゃる。牛や豚を、食べるために育てて殺すことと、クジラを殺すことの間にどれほどの違いがあるのか?

 イルカを愛される方々は、日本の一部漁民のイルカ猟を野蛮だとおっしゃる。なんでも、イルカは高度な知能を持つから、人間の都合で殺したりしてはいけないのだそうだ。
 とういうことはあれか? 知能程度が低ければ、人間でも殺していいということか? 
 それに、だ。日本にはイルカを食べる習慣はない。漁民のイルカ猟は、あくまで自分たちの漁場がイルカに荒らされるのを防ぐための自衛措置である。それでも非難されなければならないのか?
 あなた方は、イルカは高い知能を持つとおっしゃる。であれば、イルカを説得していただきたい。説得が無理なら、犬と同じようにしつけていただきたい。

 「ここは漁民たちの生活の場である。ここには入らないようにしなさい」

 それができれば、漁民もイルカ猟の手間が省ける。それにイルカの知能の高さの立証にもなる。一挙両得である。映画を作るより遥かに前向きな取り組みではないか?


 私は、人が序列の一番上にいる世界で生きていると思って来た。その世界で生き続けたいとも思う。
 また、自分たちに犬を食用にする習慣がないからといって、犬を食用にする人々をあざける偏見から無縁でありたいと思う。牛肉を食べ、豚肉を食べ、羊肉を食べ、魚を食べるのと、犬や猫を食べることのどこに、本質的な違いがあるのか?
 それが常識の世界で生きていきたい。

 その上で考える。キリンの死が、なぜ大きなニュースになるのか?
 かつて日中国交回復の象徴になったパンダが死んだのとは訳が違う。動物園で、入場者に見せるために飼育していたキリンが死んだだけである。外交的な意味も、政治的な意味も、社会的な意味も、文化的な意味もない、単なるキリンの死だ。
 動物園でキリンが死んだ。それだけのことが、いくら地元紙でも3段の記事になるのは、どう考えても常軌を逸している。


 明日、瑛汰、璃子の一家がやってくるらしい。パパが仕事終えてから横浜を出るのだから、到着は夜中になるか。

 「璃子、ボスのところに来たら、何処に行きたい?」

 夕刻、テレビ電話をした。

 「遊園地に行きたい」

 あ、そ。遊園地、ね。さて、何処の遊園地に行こうか?
 伊勢崎の華蔵寺? 太田のぐんまこどもの国? ま、来てからゆっくり相談するか。

 5月3日は、市内の祭りでパエリアをつくる。
 5日から7日にかけて、西宮に行き、帰りに四日市の啓樹、嵩悟の家に寄ってくる。

 今年の黄金週間は忙しくなる私である。


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